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強迫性障害

確認しても、また気になる

強迫性障害の説明動画。鍵を確かめて立ち止まる架空の人物と、繰り返す不安を示す青い輪を描いた紙彫刻イメージ。

音声はオフです。

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強迫性障害について

強迫性障害は、頭から離れない「強迫観念」と、不安を打ち消すための「強迫行為」が特徴の病気です。確認や手洗いでいったん安心しても、また不安になり、繰り返すうちに生活への影響が大きくなります。

治療の柱は、抗うつ薬による治療と、あえて確認しない練習を重ねる「曝露反応妨害法」です。不安と確認行為の悪循環を減らし、仕事や日常生活に使える時間を取り戻していきます。

こんな症状に注意

手がかりになるのは、「やめたいのに繰り返してしまう」「不安や確認に時間を取られる」という困り方です。次のような変化が続いている場合は、受診を考える目安になります。

1.鍵や火の元を、何度も確認する

鍵や火の元を、何度も確認するの説明動画。日常生活の場面を表した架空のイメージ。

鍵をかけたことを確かめても、少し歩くとまた気になり、家に戻ってしまいます。ガスの元栓や電気のスイッチも繰り返し確認し、外出するまでに長い時間がかかります。

確認した場面を思い出したり、写真を見直したりしても、安心が長く続きません。

2.手洗いや入浴が、なかなか終わらない

手洗いや入浴が、なかなか終わらないの説明動画。日常生活の場面を表した架空のイメージ。

汚れが残っている感じがして、何度も手を洗います。途中で別の物に触れると、初めからやり直すこともあります。

手が荒れる、入浴に長時間かかる、洗濯物が増え続けるなど、体や生活にも負担が出ます。

3.誰かを傷つけていないか、繰り返し確かめる

誰かを傷つけていないか、繰り返し確かめるの説明動画。日常生活の場面を表した架空のイメージ。

人とすれ違った後に「ぶつかってけがをさせたのでは」と気になり、その場所へ戻ったり、周囲の人に聞いたりします。会話の後も、相手を傷つけることを言っていないか、何度も振り返る場合があります。

「大丈夫」と言ってもらっても、しばらくすると同じ心配が戻ってきます。

4.順番や回数が気になり、やり直しが続く

順番や回数が気になり、やり直しが続くの説明動画。日常生活の場面を表した架空のイメージ。

決まった順番で身支度をする、物を左右同じ位置にそろえるなど、自分の中の手順に強くとらわれます。途中でずれると、落ち着くまで初めから繰り返します。

外から見える動作に加え、頭の中で数を数えたり、言葉を繰り返したりすることもあります。

強迫性障害を詳しく知る

1.はじめに(強迫性障害とは)

はじめに(強迫性障害とは)の要点:強迫観念、強迫行為、不安と確認の繰り返し。
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頭から離れない不安と、それを打ち消すための行為が繰り返されます。

例えば、「鍵をかけ忘れたのでは」との考えが頭から離れず、何度も確認してしまう状態です。強迫性障害は「強迫症」とも呼ばれ、英語のObsessive-Compulsive Disorderを略して「OCD」と表記します。

症状が強くなると、確認にかける時間が増え、気になる対象も広がります。遅刻が増える、家事が終わらないなど、生活にも大きく影響します。

治療では、抗うつ薬で強迫観念や不安を和らげながら、徐々に「確認しない練習」を進めます。このページでは、症状の出方と悪循環の仕組み、薬と練習を組み合わせた治療の流れを説明します。

2.強迫性障害の症状―強迫観念と強迫行為

強迫性障害の症状―強迫観念と強迫行為の要点:頭から離れない考え、不安を打ち消すための行為、頭の中の確認もある。
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「頭から離れない考え」と「不安を打ち消すための行為」の2つが中心です。

①強迫観念―不安な考えが頭から離れない

汚れ、戸締まり、誰かを傷つけた可能性などが、何度も頭に浮かびます。考えを消そうとしても気になり続け、「はっきりさせなければ」と焦りが強くなります。

本人が望んでいない言葉やイメージが浮かび、そのこと自体につらさを感じる場合もあります。不安のほか、気持ち悪さや「しっくりこない」という感覚が目立つこともあります。

②強迫行為―不安を和らげるために繰り返す

強迫観念に伴う不安を打ち消そうと、確認、手洗い、やり直しなどを繰り返します。戸締まりなどの「確認行為」は、その代表的なものです。

いったん楽になるため、次に不安が出たときも同じ行為に頼りやすくなります。「やりすぎだ」と感じながらも、安心するまで終えられないところに難しさがあります。

よくみられる強迫観念と強迫行為

| 気になること・強迫観念 | 不安を打ち消すための強迫行為 | |---|---| | 手や身の回りが汚れている | 手洗い、入浴、掃除、洗濯を繰り返す | | 鍵や火の元を確認し忘れた | 鍵やスイッチを何度も見たり、触れたりする | | 誰かを傷つけたかもしれない | 現場に戻る、相手や家族に繰り返し聞く | | 配置や順番が正しくない、しっくりこない | 物を並べ直す、決まった手順をやり直す | | 嫌なことが浮かび、打ち消したい | 頭の中で言葉を唱える、数を数える、記憶をたどり直す |

頭の中の確認や、安心を求める質問もある

「本当に何もしていないか」と記憶を何度も再生する、安心できる答えが出るまで考え続けるなど、頭の中だけで行う強迫行為もあります。見た目には静かでも、本人は長い時間を費やしています。

家族への質問やインターネットでの検索が、繰り返す確認の一部になる場合もあります。診察では、目に見える動作と、頭の中で続けていることの両方を確認します。

3.社会生活への影響―確認するほど、確認が増える悪循環

社会生活への影響―確認するほど、確認が増える悪循環の要点:安心は一時的、確認の回数や時間が増える、生活や家族への影響。
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確認で得られる安心は一時的で、繰り返すほど生活が圧迫されていきます。

①強迫観念の不安で落ち着かない

気になることが頭に残り、仕事や家事をしていても注意がそちらに向いてしまいます。常に緊張しているため、短い活動でも疲れ切ることがあります。

周りからは普通に過ごしているように見えても、本人は一日中、不安への対処に追われている場合があります。

②確認行為がエスカレートする

不安を和らげるために確認すると、いったんは落ち着きます。しかし、しばらくすると「さっきの確認は十分だったか」と、また不安が戻ります。

この繰り返しで、確認の回数や時間が増えます。外出の準備が終わらない、何度も読み直して仕事が進まない、手洗いで皮膚が荒れるなど、生活や健康にも影響が出ます。

③避ける場面や、家族への確認が増える

不安になる物に触れない、外出を控える、人とのやりとりを避けるなど、行動範囲が狭まる場合があります。自分で確かめる代わりに、家族に確認や洗浄を頼むこともあります。

本人の負担に加え、家族の時間や生活の自由も減っていきます。治療では、確認行為を減らすことと、避けていた生活を取り戻すことを合わせて考えます。

4.強迫性障害の原因・きっかけ

強迫性障害の原因・きっかけの要点:体質や脳の働き、ストレスなどの影響、症状を長引かせる仕組み。
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体質や脳の働きに、ストレスなどの影響が重なって発症すると考えられています。

強迫性障害には、遺伝的な要因や、不安・行動の調整に関わる脳の仕組みなど、複数の要因が関係します。進学、就職、出産などの生活の変化や、負担が続く時期に症状が目立つこともあります。

丁寧さや責任感が強い方では、「見落としがあってはいけない」と考え、確認が増える場合があります。治療では、性格全体を変えるより、不安と確認の繰り返しに働きかけます。

発症のきっかけと、症状を長引かせる仕組みは分けて考えます。最初のストレスが落ち着いた後も、確認で安心しようとする習慣が残っている場合には、その悪循環への治療が必要です。

5.強迫性障害の診断と、受診の目安

強迫性障害の診断と、受診の目安の要点:症状に取られる時間、つらさと生活への影響、精神科・心療内科へ相談。
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症状に取られる時間、つらさ、生活への影響を確認します。

普通の心配との違いは、切り上げにくさと負担

戸締まりの確認や手洗いは、普段の生活でも行います。強迫性障害では、必要な確認を終えた後も気になり、繰り返すことで時間を取られます。

症状に1日1時間以上かかることは診断で見る目安の一つです。時間と合わせて、不安の強さ、遅刻や欠勤、家族への影響も確認します。短い時間でも、つらさや支障が強い場合は相談の対象になります。

診察では、どんなことを話す?

気になる内容、そのとき行う確認、かかる時間、避けている場面などを伺います。「朝、家を出るまでに鍵を何度も見に戻る」など、日常の一場面から話すと整理しやすくなります。

頭の中の反復や、人に説明しにくい考えも診察で扱います。質問票を補助に使うこともありますが、診断の中心は症状と経過の確認です。うつ病や不安症など、重なっている不調も見ていきます。

何科を受診する?

精神科・心療内科が相談先になります。確認のために仕事や学校に遅れる、手洗いで体を傷める、家族も対応に追われている場合は、早めに相談してください。

特に不安や強迫行為のために食事・水分が取れないなど、安全や生活を保つことが難しい場合は、早急な診療が必要です。

6.強迫性障害の治療の2つの柱

強迫性障害の治療の2つの柱の要点:薬の治療、曝露反応妨害法、確認を減らす練習。
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「薬の治療」と、確認しない練習をする「曝露反応妨害法」が2本柱です。

薬で強迫観念や不安を和らげ、その土台の上で、確認を減らす練習を進めます。確認に頼らず過ごす経験を重ねることで、不安と強迫行為の双方の改善を図ります。

症状の強さや本人の希望に応じて、薬と心理療法の組み合わせを決めます。ここでは、薬を土台に曝露反応妨害法を並行する進め方を中心に説明します。

7.治療の柱①薬物療法

治療の柱①薬物療法の要点:抗うつ薬(SSRI)、効果と副作用を確認、必要な量と期間。
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抗うつ薬を続け、副作用を見ながら、必要な量と期間を確保します。

①抗うつ薬(SSRI)

強迫性障害の薬の治療では、SSRIという種類の抗うつ薬が中心になります。セロトニンという脳内の物質の働きを調整し、強迫観念や、それに伴う不安の改善を図ります。

うつ病の治療より多い量が必要になる場合があり、少量から始め、効果と副作用を確認しながら調整します。薬ごとの用量の範囲と、本人の体調を踏まえて進めます。

効果が出るまで、どのくらいかかる?

SSRIは、継続して服用しながら効果を見ていく薬です。早い段階で変化を感じる方もいますが、強迫症状への効果を判断するには、8〜12週間程度かかる場合があります。

診察では、不安の強さに加え、確認の時間が短くなったか、練習に取り組みやすくなったかを確認します。数週間で変化が乏しい場合も、服用量と期間を見ながら次の対応を考えます。

副作用や、相性が合わない場合

飲み始めや増量後に、吐き気、眠りの変化、落ち着かなさなどが出る場合があります。いつから何が変わったかを伝え、量の調整や薬の変更を相談します。

強い焦りや、落ち着かない気持ちが新たに出た場合は、早めに医療機関へ連絡してください。効果と副作用の両方を見ながら、続けられる治療を探します。

②抗不安薬(頓服)

不安が非常に強いときには、抗不安薬を一時的な補助として使うことがあります。比較的速く不安を和らげますが、効き始めや持続時間は薬の種類によって異なります。

注意したいのは、頓服が「確認行為の代わり」になりうる点です。少し不安になるたびに飲む習慣がつくと、不安に持ちこたえる練習が進みにくくなります。依存や眠気にも注意し、使う場面・回数を主治医と決めておきます。

8.治療の柱②あえて確認しない「曝露反応妨害法」

治療の柱②あえて確認しない「曝露反応妨害法」の要点:段階的に取り組む、過剰な確認を控える、必要な安全確認は保つ。
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不安が残っていても、確認を足さずに過ごす練習をします。

曝露反応妨害法は、強迫性障害に対する認知行動療法の中心となる方法です。英語ではExposure and Response Prevention、略してERPといいます。

不安に触れることと、確認を控えることを組み合わせる

「曝露」は、不安を感じる場面に段階的に取り組むことです。「反応妨害」は、その不安を打ち消すための過剰な手洗いや確認を控えることです。

例えば、手が汚れた気がするたびに洗い直す習慣がある場合、追加の手洗いを控えて過ごす練習をします。その経験を重ね、不安への「脱感作」、つまり慣れを図っていきます。

「苦手だが、何とかやり切れる」課題から始める

主治医や治療者と、どの場面なら取り組めそうかを相談します。初めは短い時間や負担の小さい場面から始め、慣れてきたら、確認を控える範囲を広げます。

戸締まりなら、必要な操作と確認を済ませた後の、追加の見直しを減らします。必要な安全確認や通常の衛生行動は保ち、その先の過剰な繰り返しを減らすことが治療の対象です。

安心し切ることより、次の行動へ戻れることを目指す

練習中は、不安が上がったり、確認したい気持ちが続いたりします。その中で、確認を繰り返す以外の過ごし方を身につけます。

目標は、「少し気になるが、予定していた家事を続けられる」「また確かめたくなったが、出かけられる」といった状態です。結果として不安も軽くなり、確認に使う時間が減っていきます。

頭の中の確認や、家族への質問も一緒に見直す

実際に鍵を見に戻る代わりに、頭の中で施錠場面を繰り返し再生したり、家族に何度も聞いたりする場合があります。確認が別の形に置き換わっていないかも、治療で振り返ります。

取り組みが難しい場合は、課題の強さや薬の効果を見直します。強すぎる負担で練習が続かなくなることを避け、本人が納得して続けられる段階を選びます。

9.治療の3段階

治療の3段階の要点:初期は不安を減らす、中期は確認を減らす、後期は改善した生活を保つ。
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初期は不安を減らし、中期は確認を減らし、後期は改善した生活を保ちます。

薬と暴露反応妨害法を併用する場合、大まかに次の3段階で進めます。最初は薬の治療を重視し、準備ができてきたら確認しない練習の比重を増やします。

①治療初期―強迫観念に伴う不安・緊張を減らす

まずは抗うつ薬を始め、量を調整しながら、不安と緊張を和らげます。頓服は、本当に必要な場面に限って使います。

不安が強く、練習の準備が整っていない時期は、薬の調整と病気の理解を優先します。強迫観念に伴う不安が以前より軽くなり、取り組めそうな課題が見えてきたら、中期へ進みます。

②治療中期―確認を減らし、生活範囲を戻す

抗うつ薬を続けながら、曝露反応妨害法を進めます。短い時間、取り組みやすい場面から練習し、確認を控える範囲を広げていきます。

不安が軽くなるだけでなく、手洗いや確認に取られる時間も減り、外出、仕事、家事などに使える時間が戻ります。生活・行動範囲が望む水準まで回復し、その状態が安定してきたら、後期の治療を考えます。

③治療後期―確認を増やさず、減薬を検討する

改善した状態を十分に保ったうえで、再燃を防ぎながら抗うつ薬を徐々に減らし、可能であれば中止を目指します。減量で不安がやや強まる場合には、曝露反応妨害法を続け、「確認行為を増やさずに生活できる」状態を保ちます。

症状がぶり返す場合は、減らす速さや薬の量を調整します。必要量の抗うつ薬を続けながら、安定した社会生活を保つ方法もあります。

減薬後の不調には、症状の再燃のほか、薬の減量による離脱症状も考えます。薬を減らした時期と症状の出方を主治医に伝え、その後の進め方を相談します。

各段階の目標

| 段階 | 主な目標 | 取り組むこと | |---|---|---| | 治療初期 | 土台の不安・緊張を減らす | 抗うつ薬を開始・調整し、効果を確認する。抗不安薬は必要時のみ使う。 | | 治療中期 | 強迫観念の不安と確認行為を減らす | 薬を続けながら曝露反応妨害法を繰り返し、生活範囲を戻す。 | | 治療後期 | 改善を保ち、減薬・中止を検討する | 練習を続け、確認を増やさず減薬できるかを確認する。必要に応じて服薬を継続する。 |

10.自分でできる対策―確認を減らす練習を生活に取り入れる

自分でできる対策―確認を減らす練習を生活に取り入れるの要点:小さな課題から練習、別の形の確認にも目を向ける、戻したい生活を目標に。
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診察で決めた小さな課題を、普段の生活で繰り返します。

不安と確認の組み合わせを整理する

何が気になり、そのとき何をしているかを簡単に書き出します。「外出前に鍵が気になる→何度も見に戻る」など、一つの場面から整理します。

記録は、治療で課題を選ぶためのものです。回数を正確に記録することが新しい負担になる場合は、大まかな時間や生活への影響を伝える方法に変えます。

調べ直しや、安心を求める行為にも目を向ける

戸締まりの写真を撮る、同じ内容を何度も検索するなど、安心を得る工夫が新たな確認になる場合があります。治療では、見に戻る回数だけでなく、こうした行為も含めて振り返ります。

課題は一つずつ決め、できた範囲を確認します。不安を完全に消してから動くより、少し気になっていても予定へ戻る練習を続けます。

睡眠と、確認以外の時間を確保する

睡眠や食事のリズムを整え、疲れをためにくくします。症状への対応だけで一日が終わらないよう、治療で戻したい活動も考えます。

「朝、予定した時間に家を出る」「家族との食事に間に合う」など、生活の中の目標を持つと、練習の意味が分かりやすくなります。

11.家族の接し方―安心の保証を繰り返すより、治療を支える

家族の接し方―安心の保証を繰り返すより、治療を支えるの要点:つらさを受け止める、段階的に関わりを調整、家族の生活・休養も支える。
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本人のつらさを受け止めながら、確認への関わり方を一緒に調整します。

確認に巻き込まれている部分を整理する

「鍵は閉まっている?」「汚れていない?」と何度も聞かれ、家族がそのたびに答えていることがあります。一時的には落ち着いても、家族への質問が確認行為として続いていく場合があります。

洗い直しを手伝う、本人の代わりに確かめるなど、家族が担っている行為も診察で共有します。

対応の変更は、本人と治療者を交えて決める

本人が落ち着いているときに、どの確認から関わりを減らすかを相談します。急にすべてを拒むより、本人・家族・治療者で、取り組める範囲と返答の仕方を決めて進めます。

例えば「不安でつらいね。今は、診察で決めた練習を一緒に続けよう」と、気持ちは受け止めつつ、確認の繰り返しには加わらない伝え方があります。

できたことを確認し、家族の休養も守る

確認を一つ減らせた、いつもより早く外出できたなど、小さな変化を一緒に確認します。症状が強い日は、責めるより、負担や課題の強さを振り返ります。

家族にも疲労がたまります。本人を支える人が休める時間を確保し、ケアを続けられる形を保つことが大事です。

12.強迫性障害は治る?―治療期間と再燃予防

強迫性障害は治る?―治療期間と再燃予防の要点:確認の時間と生活範囲、改善後も治療と練習、治療の組み合わせを見直す。
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治療で症状を軽くし、確認に縛られる時間を減らしていきます。

回復までの期間は、症状と取り組む課題によって変わる

薬の効果を確認する期間に加え、確認や回避の習慣を変える練習が必要です。数か月かけて改善を図り、その後も安定を保つために治療を続けることがあります。

確認に使う時間、避けている場面、仕事や家事への影響を見ながら、改善を確かめます。心配事が浮かぶ回数だけでなく、浮かんだ後に普段の生活を続けられるかも大切です。

改善した後も、治療を続ける

症状が軽くなった後も、薬と、身につけた対処を続けて再燃を防ぎます。薬を減らす時期は、安定した期間、これまでの再燃、生活上の負担などを踏まえて相談します。

忙しい時期や大きな生活の変化の前には、睡眠と治療の時間を確保します。確認が少し増え始めた段階で対策を取ると、生活への影響が広がるのを抑えやすくなります。

長引くときは、治療の組み合わせを見直す

薬の量と期間、暴露反応妨害法への取り組み方、家族への確認や回避などを確認します。うつ状態が強いなど、練習を進めにくくしている別の不調も治療します。

十分な治療でも改善が乏しい場合は、薬の変更や、強迫性障害を専門に扱う医療機関での治療を検討します。これまでの治療を整理し、次に取り組む課題を選び直します。

13.仕事・学校への影響と、休養の考え方

仕事・学校への影響と、休養の考え方の要点:負担と治療時間を調整、休養と治療を組み合わせる、生活への復帰を考える。
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治療の時間を確保しながら、続けられる負担に調整します。

確認に時間がかかって遅れる、書類や課題を見直し続けて終わらないなど、症状によって困る場面は異なります。診察では、仕事内容や学校生活と、どの行為に時間がかかるかを具体的に確認します。

症状や疲労が強い時期には、業務量や予定を調整し、必要に応じて休職・休学も検討します。同時に、確認や回避を減らす治療を進め、戻りたい生活への準備をします。

復帰の際は、身支度や移動、一定の作業を続けられるかを確認します。周囲の配慮は、必要な安全手順や業務上の確認を保ちつつ、過剰な確認を際限なく代行する形にならないよう相談します。

14.強迫性障害についてよくある質問

強迫性障害についてよくある質問の要点:薬を使わない治療、子どもの症状、ASDのこだわりとの違い。
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薬を使わずに治療することもありますか?

症状の程度や本人の希望に応じ、曝露反応妨害法を中心に治療する場合があります。不安が強い、生活への影響が大きい、うつ状態が重なっているときなどには、薬を併用する意義があります。

薬の役割と、練習で変えていく部分を確認し、取り組みやすい方法を相談します。

子どもにも強迫性障害はありますか?

子どもにも起こります。長い手洗い、宿題の書き直し、親への質問が増えるなど、普段の行動の変化から気づくことがあります。

年齢によっては、頭の中の不安を言葉にしにくい場合があります。家族が見ている様子も伝え、子どもの診療に対応する医療機関で相談してください。

ASDのこだわりとの違いは、どこを見ますか?

同じ動作の繰り返しでも、その行動の目的と、以前からの経過を確認します。不安や嫌な考えを打ち消すためなのか、慣れた手順や感覚の調整を必要としているのかが手がかりです。

ASDと強迫性障害が重なる場合もあります。本人の特性に合わせて、環境の調整と強迫症状への治療を組み合わせます。

15.まとめ

まとめの要点:薬物療法と曝露反応妨害法、不安と確認の悪循環を減らす、日常生活を取り戻す。
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薬の治療と曝露反応妨害法で、不安と確認の悪循環を減らします。

強迫性障害は、頭から離れない強迫観念と、その不安を打ち消すための確認行為が特徴です。繰り返すほど、確認にかかる時間や避ける場面が増え、生活に大きく影響します。

治療では、抗うつ薬で不安を和らげながら、確認しない練習を進めます。初期は不安を減らすこと、中期は確認を減らして生活を戻すこと、後期は改善を保つことを重視します。

治療には時間がかかりますが、確認に使っていた時間を、自分の生活に取り戻していくことを目指します。つらさが続いている方は、日々困っている場面からご相談ください。

16.吉祥寺で強迫性障害の相談をお考えの方へ

吉祥寺で強迫性障害の相談をお考えの方への要点:戸締まりや手洗いの悩み、不安と生活への影響を整理、治療歴やお薬手帳も参考に。
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こころ診療所吉祥寺駅前は、吉祥寺駅近くの心療内科・精神科です。戸締まりの確認や手洗いが終わらない、頭の中の不安が離れない、家族への確認が続くなどのお悩みをご相談ください。

診察では、不安の内容、確認の仕方、生活への影響を整理し、薬と行動面の取り組みを考えます。これまでの治療歴やお薬手帳、家族が気づいた変化も参考になります。

強迫性障害:動画での説明

強迫観念と確認行為の悪循環、薬の役割、暴露反応妨害法の進め方、治療の3段階について、動画でも説明しています。

強迫性障害:動画での説明

この記事の著者

春日雄一郎

精神科医・医療法人社団Heart Station理事長・精神保健指定医・YouTube「こころ診療所チャンネル」運営

春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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