おもなご質問

よくお聞きする質問にお答えします。

はじめてのご受診の前には、イメージしにくいこと、不安なこともあろうかと思います。

 

ここでは、お聞きする頻度の高いご質問と、その回答についてまとめています。

初めての診療について

どんな症状の時に、診てもらえますか?

落ち込む、眠れない、急に不安になるなど、こころの症状は様々です。また、「仮面うつ病」や「自律神経失調症」のように、むしろからだの症状が強く出ることもあります。こころの不調がある時、からだの不調があるが、ストレスが影響したり、内科などで異常が見られないときは、ご受診をご検討いただければと思います。

何歳以上の方を診察してもらえますか?

現在のところ当院では18才以上(高校卒業相当)の方を対象としています。高校生以下の方は、児童・思春期専門の治療機関の受診を、ご検討いただければと思います。

初めて受診したいですが、当日でも受診できますか?

枠が満員でない限り、当日受診が可能です。ただし、事前の予約についてはお願いいたします。ネット予約(24時間)、お電話(外来時間)のいずれかでお願いします。

大人の発達障害について、診てもらえますか?

当院では、大人の発達障害(ADHDなど)についての診察が行えます。診察等を行って診断を行い、必要時には薬の治療等をご相談いたします。ただし、診断に必要な心理検査は、提携機関(府中カウンセリングルーム)もしくは他の心理機関で受けていただくことになります。

子供に発達障害がないか心配ですが、診てもらえますか?

18才以上の方について、診察を行うことが可能です。(ただし、心理検査は、関連機関の紹介で必要時行う形になります)

心療内科と精神科の違いは何ですか?

心療内科は「ストレス・精神的な要因から体の症状が出るご病気への治療」を、精神科は「こころに強く症状が出るご病気への治療」を行います。ただし、「仮面うつ病」では、うつ病だが体の症状が主に出るように、この2つの科の分野は重なるところが多く見られます。当院は心療内科・精神科の双方を標榜しているため、必要に応じ心身両面からのアプローチを行ってまいります。

初回の診察に準備するものはありますか?

保険証の持参を必ずお願いいたします。それに加え、各種制度(自立支援医療、ひとり親など)をご利用の際はその受給者証、他の科で薬が出ている場合はそれがわかるもの(お薬手帳など)、他院から紹介の時は可能なら紹介状のご持参をお願いいたします。なお、初診予約後に「Web問診」をしていただけますと、当日のご案内がスムーズです。

車いすを用いていますが、受診できますか?

当院には、エレベーターでご来院でき、車いすの方用のトイレもあるため、ご来院いただける状態にあります。

「自立支援医療」を使って受診できますか?

可能です。受診の際に、保険証のほか、受給者証をご持参ください。この制度では、受診する医療機関と薬局の指定が必要です。他院から当院に受診変更される場合は、通院する医療機関の変更を、市町村の窓口で行ってください。

費用は、どのくらいかかりますか?

診察に関しては、初診時3000円ほど、再診時1500円ほどが予想されます。ただし、血液検査や診断書等は別料金となり、処方せんが出た場合は、処方に関して、薬局でのご負担が生じます。

他のクリニックからの紹介状は必要ですか?

本来は、スムーズな引継ぎのためにあることが望まれますが、諸事情で困難の場合は必須ではありません。ただし、薬の引き継ぎは非常に重要なので、飲んでいるお薬が客観的にわかるもの(お薬手帳等)は必ずご持参をお願いします。

診察時間は、どのくらいかかりますか?

初診の場合は診察時間は約30分(手続きなどを含めると約50-60分)になります。再診の時は病状にもよりますが5-10分が想定されます。

初回の診察では、どんなことをするのですか?

まず、診察前に「Web問診」を行います(初診で事前に行っている場合は不要)。そのうえで、医師の診察に入ります。医師の診察では、予診の内容をもとに、より診断に結びつく情報をお聞きしつつ、客観的な状態なども観察していきます。そのうえで、現段階での見立て(どういった状態かなど)につきお伝えし、必要な治療法についてご提案します。(なお、初回で診断が確定する場合もありますが、診断まで数回かかる場合もあります)そのうえで、継続しての治療が必要かの見立てをお伝えし、必要な場合は次回の予約を取り、終了します。

働いていて、日中の受診が難しいです。

当院では、平日(火曜のみ休診)・土曜は20:00まで診察、日曜日も13:00まで診察しています。特に再診のときは、そういった時間も含めて、ご検討いただければと思います。

診療・治療法について

こころの病の診断は、どんな基準でするのですか?

基本的には、診断はアメリカの診断基準である「DSM-5」をもとにして行っていきます。ただし、同じ診断基準を満たす症状であっても、その人の性格傾向や環境など、さまざまな要素が、その人ごとに違います。診断基準を基にしつつも、その人にまつわる個性を総合的に考慮して、その人ごとの治療計画を立てていきます。

また、時にからだの病気が原因で診断基準を満たす症状が続く場合もあるため、必要時は血液検査等を行い、からだの病気の除外を行うことがあります。

からだの病気でも、似た症状は出るのではないですか?

たとえば、肝臓の不調でだるさ(倦怠感)がでる、低血糖で不安感が強くなるなど、体の病気で、こころの不調と同様の症状が出ることがあります。特に、甲状腺という臓器のホルモンの不調で、精神不調の症状が出ることを経験します。そのため、必要時は血液検査を当院で行ったり、提携医療機関で画像検査などを行うことで、体の不調の有無を確認、除外することがあります。

一方で、一見からだの病気と思えるようなからだの症状(頭痛、耳鳴、胃痛など)の背景に、こころの病気が隠れている場合があります。からだの症状が続くが、いくら検査しても異常が出ない場合は、こころの不調の可能性を想定することになります。

もの忘れ・認知症の検査はできますか?

当院では、初診の時などに、基本的な記憶の検査をすることが可能です。その検査と、これまでの情報を総合して、診断を組み立てていきます。より精密な検査が必要な時は、提携医療機関で画像検査などを行うことが可能です。

こころの病の治療はどんなものがありますか?

精神療法と、薬物療法が2本の柱です。

精神療法では、症状・経過のモニタリング(観察)を土台に、必要な時に現在の行動や思考のパターンへの介入、職場との環境調整やケアシステム環境の構築などを行っていきます。

薬物療法では、こころに効く薬での治療を行います。脳の不調を直接整える薬、緊張を緩和して、間接的に休養をもたらし改善を図る薬など、さまざまな薬があります。

精神療法と薬物療法はとかく「どちらが優れているか」「どちらが正しいか」といった文脈で比較されることがありますが、当院としては、この2つは対立するものではなく、必要に応じ組み合わせ、補い合ってより患者さんに効果を出していけるものと考えています。

薬はいやです。診察だけでなんとかなりませんか?

「場合による」というのが答えになるかと思います。あえて初期は薬を使わず他の介入で対応し、必要時に、漢方薬も含めた薬の介入を検討する場合もあります。

一方で、「じっくり話を聞いてほしい」などの場合は、診療時間にも限りがあり、いわゆる「カウンセリング専門施設」でのフォローの方が望ましいとも思われます。

休養入院はできますか?

当院は入院設備を持たない無床診療所のため、当院への休養入院は行えません。入院が必要な状態と判断した場合は、提携している病院との連携を図っていきます。(ただし、提携先のベッド状態に依存する面があるため、期間がかかることがあります。入院を要する状態になる危険の高い方は、入院のバックアップ体制のある病院の受診をお勧めいたします)

どんな場合は、入院した方がいいですか?

①こころの不調のため、自分や他者を傷つける恐れが強い場合

②食事がとれない状態が続くなど、家では健康の確保が困難な場合

③家では休養や服薬ができず、外来環境での治療が困難な場合

などが、入院環境での治療が望まれるケースです。

なお、パーソナリティ障害などによって、反復して健康の確保が難しくなる状態の場合は、不調時のバックアップ体制が重要になるため、入院での緊急対処が行える病院での治療が望ましいと思われます。

どんな場合は、(クリニックではなく)病院に通院した方がいいですか?

①現在、入院治療が必要な状態の場合

②今後、入院治療が必要になる可能性が高い場合

③情動不安定など、不調時の入院での緊急対応が必要な場合

などに関しては、安定した治療継続・改善のため、病院での治療が望まれます。

会社で休職の話がでましたが、対応できますか?

うつ病をはじめとしたこころの不調には、まずは休養を確保して、ストレスを減らすことがしばしば重要になります。その方法としてしばしば休職が必要になります。

診断書の作成やその後の計画的な療養・リハビリ、傷病手当の書類の作成など、総合的な対応が必要ですが、当院での対応が可能です。

必ず、通院はつづけないといけないのですか?

状態によって、続けての治療が必要かは決まってきます。初診の段階で、継続的な治療が必要かをまず判断し、提案させていただきます。そして継続の場合は、治療の結果十分改善があったときに、どのようなタイミングで治療終了を予定するか、検討していきます。

どのくらいの頻度で、通院することになりますか?

状態等によって個人差がありますが、治療初期は、こまめな状態観察と介入を要するため、1-2週ごとの通院が必要になることが多いです。状態が安定してきたら、次第に治療間隔が伸び、3-4週ごとの通院になっていきます。

引っ越しをするとき、治療を続けられるか心配です。

引っ越しを行う場合は、引っ越し先での通院引継ぎが必要になります。その場合、スムーズな引継ぎのために、診療情報提供書を準備いたします。(円滑な引継ぎのため、通院先の事前の決定が必要になります。ご理解のほどお願いいたします)

こころのくすりについて

関連する項目

薬を使わずに治療できますか?

薬を使わずに、精神療法等で治療を継続することは可能です。また、いわゆる「西洋薬」ではなく、漢方薬を使用していくことも可能です。ただし、状態によっては、しっかりと薬物療法を行った方が、状態の改善が見込める場合もあるため、その場合は、こちらから、薬物療法のご提案を行うことがあります。

どんな薬があるのですか?

状態・病名に応じて、様々な薬がありますが、診療所において処方することが多いのが、抗うつ薬と抗不安薬、睡眠薬です。抗うつ薬は、うつ病のほか、パニック障害や社会不安障害などに用いられます。効果が出るまで2-3週かかりますが、継続することで徐々に効果が出てきます。

一方で、抗不安薬や睡眠薬は、使用してすぐ効果がでますが、抗うつ薬のように脳の状態そのものには作用しない「対症療法」であり、長期使用の際の依存に注意を払うことが必要です。

薬の副作用が心配です。

薬によって、相性はありますが副作用が出る場合があります。具体的には、抗うつ薬では初期におなかの不調(吐き気など)が、抗不安薬では眠気などが出ることがあります。当院では、必要最小限の処方を心がけていきつつ、必要な薬に関してはメリット・デメリットをご提案・ご同意を確認のうえ、開始していきます。

薬は一度始めるとやめられないって、本当ですか?

抗不安薬などの「依存」の問題を心配されてのことと思います。確かに、漫然と長期使用すると依存のリスクがありますが、必要性を認識の上、必要最低限使用することで、リスクをなるべく減らすことができると考えます。また、不安場面への脱感作など、薬以外の方法論も並行していくことにより、減薬を図ることが行いやすくなると考えます。

抗うつ薬も、一度始めるとやめられないって本当ですか?

抗うつ薬は、その性質上、徐々に増減して慣らしていくことが重要で、急にやめると「離脱症状」が出現することがあります。これが、他の薬への「依存」と同じ文脈で語られてしまうことがあります。ただ、この二つには違いがあります。

離脱症状はあくまで「体の反応」であり、「精神的な依存」を伴いません。そのため、(個人差はありますが)ゆっくり、計画的に減薬することで、多くの場合やめていくことが可能です。たとえばパニック障害などでは、不安に慣らすことを繰り返して薬の必要性を減らしてから減薬・中止していきます。

将来的に妊娠希望なのですが、薬を使っても大丈夫ですか?

妊娠中に薬を使っている場合、一定の影響の可能性が示唆されています。(これは、こころの薬のみならず、高血圧の薬などでも同様です)特にてんかんや躁うつ病で使う薬については(リチウム・バルプロ酸など)リスクが高いとされ、特に慎重な判断が必要です。

そのため、可能な限り、漢方薬など、リスクが少ないとされる処方をまずはお勧めします。ただし、状態によっては、薬の必要性が、リスクを上回る場合もあります。その際は、服用のリスク・ベネフィットをご説明の上、ご相談させていただきたく思います。

内科や整形外科でもたくさん薬が出ていますが、一緒に飲んでも大丈夫ですか?

最近、特に高齢者の方での多剤併用のリスクのことが、注目されています。どうしても加齢に伴って様々な不調が出るため結果として薬が増えますが、増えすぎると今度は副作用や相互作用で不調になるリスクが増えてしまいます。

こうした方については、なおのこと慎重に、最低限の処方を心がけています。必要性が高い場合のみ、最小限使用の方針です。内科等で処方を受けている方はお薬手帳等をご持参いただければと思います。その処方状況も参考にして、治療計画を立ててまいります。

ご家族の方について

家族が診察に付き添うことは可能ですか?

可能です。ただし、再診の時間は限られているため、その点に関してはご理解のほどお願い申し上げます。

家族の落ち込みが心配ですが、どう、受診を勧めるといいですか?

うつ病などこころの不調は、早期診断・早期対応が非常に重要です。一方で、以前よりは敷居が低くなったとはいえ、心療内科受診には葛藤がある方も多いかと思います。

しかし、昨今では原則全労働者で「ストレスチェック」が義務になったように、こころの健康は、生活習慣病同様、多くの方が気を使うテーマになってきています。まずは「こころの健康をチェックする」といった意味合いで、受診を勧められてはいかがでしょうか。

祖父がうつ状態ですが、「精神科なんていくか!」と言っています。

特にシニア世代の方ですと、心療内科と聞くと、以前の「精神病院」(長期入院、重症など)のイメージが強いことも時にあるようです。一方で、心身一如という言葉もあるように、こころとからだの症状は強く連動しています。「こころとからだの健康をチェックする」といった意味合いで、受診を勧められてはいかがでしょうか?

うつ病の診断を受けた家族への対応のコツはなんですか?

うつ病の治療では「休養」が非常に重要で、これは「頭を休ませる」ことを意味します。そのため、ご家族としては「ご本人が安心して頭を休ませられる」環境づくりが重要です。具体的には「気を使わせない」「心理的負担をかけない」関わりが重要です。

腫れ物に触るような形だとかえってご本人が気を使ってしまいますし、「頑張れ」等はげますことは不調時には心理的負担になります。普段とあまり変わらず、ただしプレッシャーはかけない環境を心がけ、本人が話したいときにしっかり聞ける状態を作ることが重要と考えます。

以前「うつ病の人ははげましてはいけない」と指導され、その通りやってきましたが、大きな改善がないまま半年がたちました。

急性期(初期の強い不調)の時期は、なるべくリラックスして休養してもらうことが重要です。一方で、十分休養が終わり、安定はしたけども意欲、活動が戻らない場合に関しては、(無理がかからない範囲で)活動・リハビリを促した方が効果的な場合があります。(いわゆる「行動活性化」)

その場合は、負担をかけない範囲で「はげます」ことにもなろうかと思います。ただし、この部分は、本人の状態や特性等によって取るべき対応も変わってきますので、診察の中でご相談できればと思います。

部下が通院しているようですが、本人に秘密で相談できますか?

守秘義務の観点から、必ず、ご本人の同意が必要になります。ご理解のほど、よろしくお願いします。

家族が通院しているようですが、本人に言わずに相談できますか?

守秘義務の観点から、必ず、ご本人の同意が必要になります。ご理解のほど、よろしくお願いします。