女性でASDの可能性に気づく場面6つ

恋愛等苦手から気づく

女性ASDでは得意と苦手が明確に違い、マルチタスクや雑談等が苦手です。

 

同年代との雑談や恋愛などの苦手が、時にASD発見のきっかけになります。

 

動画:女性でASDの可能性に気づく場面6つ

もくじ

 
  1. (1)はじめに
  2. (2)苦手・不適応は気づくサイン
  3. (3)女性でASDの可能性に気づく場面6つ
  4. ①同年代グループについていけない
  5. ②身だしなみがうまくいかない
  6. ③男性との交際がうまくいかない
  7. ④仕事でうまくいかない
  8. ⑤結婚生活がうまくいかない
  9. ⑥家事・育児がうまくいかない
  10. (4)まとめ
  11.  

(1)はじめに

女性の発達障害。今回は「女性でASDの可能性に気づく場面6つ」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。

ADHDと比べると、女性のASDはまだ知られていないという面があります。

ただし、社会生活への影響という点では、ADHD同様に大きくありまして、その対策が必要になってきます。

では、どんなことからASDの可能性を考えればいいでしょうか。

今回は「女性でASDの可能性に気づく場面6つ」についてやっていきたいと思います。

(2)苦手・不適応は気づくサイン

「努力をしていても、なぜかできない場合」がポイントです。

<ASD(自閉症スペクトラム)とは>

ASDは「社会性の障害(対人面)」と「こだわり」の2つが特徴の生来の発達障害です。

男女比は4対1とされ、女性では10代での診断が多いです。

そして、女性では男性ほどは症状が明確ではないことが多いです。

<ASDでは得意と苦手の差が明確>

ASDでは、得意と苦手の差が明確です。

まず論理的に考えることは得意ですが、共感することは苦手です。

そして、ある種「自分を貫く」ことは得意ですが、「人に合わせる」のが苦手です。

また、「一つに集中する」のは得意ですが、「マルチタスク」は苦手です。

「論理的な議論」は得意ですが、「情緒的な交流」は苦手です。

「何か1個のことをやり抜く」のは得意ですが、「臨機応変に対応する」のは苦手です。

そして苦手が目立つ場面で、ASD的な特性に気づくことがあります。

(3)女性でASDの可能性に気づく場面6つ

「女性特有の苦手で、気づく場面がある」ということです。

①同年代グループについていけない

いわゆる「ガールズトークは特に苦手」という面があります。

<女性と同年代集団>

まず幼少期では男性のように集団スポーツなどは少なくいため、交流の不自然さは気付かれにくい面があります。

一方で、小学校高学年から中学になり、同年代のグループが強まってきます。

そして、その中でいわゆる「ガールズトーク」が多くなってきます。

<ガールズトークの特徴>

ガールズトークでは、話す内容は、あまり論理的な深い内容ではない、いわゆる「雑談」的なことが多いです。

一方で、その中での「過程」、変化や力動に関しては、逆に複雑になってくるところがあります。

この2つに関しては、ASDでは非常に苦手です。

<ASDの可能性を考える場面>

まず話についていけなくて混乱が続く場合。

あとはなぜか同年代の中で孤立したり、いじめられたり、いじられたりする場面。

そして発言をするたびに「その場の空気を壊してしまう」ことを繰り返す場面です。

②身だしなみがうまくいかない

「ASD的な好みと社会通念のミスマッチ」というところがポイントです。

<ASDでの服装への影響>

まずは「こだわりで変化を嫌う」を背景に、「同じ服になりがち」というところがあります。

そして、こだわりや社会性の障害から「独特な服になってしまいがち」な面があります。

そして、感覚過敏があるために「着られる服が限られてしまう」ところがあります。

<ASDでの服装の傾向>

まずは「種類が少ない」というところ。

そして「場の典型」からは外れやすいというところ。

そして「整わないところが出てくることがある」ことがあります。

<社会でのTPO>

さまざまな「場面に応じての多様な服装」が求められます。

そしてその「場面からは外さない」服装が求められます。

また、ある種「整う」、「ミス」がない状態が求められる部分があります。

ここで「ASDの傾向と、いわゆるTPOとのミスマッチがある」ことがポイントですです。

<ASDの可能性を考える場面>

まず、「いつも服装がなぜか浮いてしまう」場合。

そして「いつも同じ服を着る」という場合。

また、「身だしなみなどを注意するのが非常に不快」という場合などがあります。

③男性との交際がうまくいかない

「傷つく場面と傷つける場面両方あり得る」というところです。

<ASDで苦手な対人交流の場面>

まずは「情緒的な交流をする」のは苦手というところ。

あとはある種の「心理的な駆け引き」をするのが苦手です。

あとは言葉以外の「言外の意味を読む」のが苦手なことがあります。

これらを背景としてといろいろうまくいかない場面が出てきます。

1)相手に搾取される場合

交流自体は相手主導で始められることが少なくありません。

ただ、悪意のある相手から利用されたり、否定されたりするリスクが生じます。

そして「言外の意図が読み取れない」ことから、いろいろ被害にあうこともありえます。

2)相手を傷つける場合

自分のこだわりを相手に押しつけてしまうことで相手を傷つけることがあります。

また、相手への配慮ない発言が出る事があります。

そして、感情的な交流が乏しいことで、孤立感を相手に持たせてしまうことがあります。

<ASDの可能性を考える場面>

まずは「悪意ある相手に繰り返し利用されてしまう」という場面。

あとは「相手を追い詰めて怒らせることを繰り返してしまう」という場合。

そして「なぜか相手がいなくなってしまう」ことが繰り返される場面です。

④仕事でうまくいかない

仕事自体より、「組織に合わせる」「変化に合わせる」の2点に注意です。

1)社会性

上下関係を無視してのある種「無礼」と取られる発言が目立つことがあります。

そして、「自分ルール」を「組織のルール」より優先してしまうことでのトラブルがあり得ます。

また、飲み会等の「インフォーマルな人付き合いでのつまずき」が指摘されることがあります。

2)変化への対応

まずは、いわゆるマルチタスクの仕事でつまずきが出ることがあります。

そして、「突発的な変化の対応が難しいこと」で困難が出ることがあります。

そして、完全主義になりすぎて、バランスを欠いて納期などに間に合わない場合があります。

<ASDの可能性を考える場面>

まずは意図せず「無礼」などと叱責されることが続く場合。

そして細かいことにこだわりすぎて仕事が回らなくなってしまう場合。

あとは熱意が空回りして不適応を繰り返してしまう場合などが考えられます。

⑤結婚生活がうまくいかない

「互いを支える交流がうまくいかない」状態です。

1)相手に支配されてしまう場面

日頃から配慮ができず相手を怒らせてしまうことがあります

そして「受け身で断れず一方的に支配されてしまう」場合があります。

これらによりモラハラや暴力等のの被害を受けることもありえます。

2)相手を支配してしまう場面

こだわりを相手を押し付けてしまうというところがあります。

そして配慮ない発言を続け、ある種相手を「不機嫌で支配する」ことが出てくる場面があります。

これによって、相手がいわゆる「カサンドラ症候群」的な不適応になる場面が出てくることもあります。

<ASDの可能性を考える場面>

まずは相手の言外の悪意に振り回され続けてしまうとき。

そして「意図せず相手を怒らせることが繰り返されてしまう」場面もあり得ます。

そして意図せず相手から「モラハラ」などと言われることが繰り返されるときです。

⑥家事・育児がうまくいかない

「臨機応変とマルチタスク」が、この2つでのポイントです。

<家事とASD>

家事はさまざまなことを同時にするいわゆる「マルチタスク」になります。

そして「広く浅く」が求められて、「こだわりがしばしば逆効果になってしまう」ことがあります。

これらのため、ASDとは非常に相性が悪い面があります。

<育児とASD>

育児もさまざまなことを同時にする「マルチタスク」です。

そして、「急な変化への臨機応変な対応が必要」になります。

そして「子どもへの共感や情緒的な交流が大事」になってきます。

これらのため、ASDとは非常に相性が悪い面があります。

<ASDの可能性を考える場面>

まずは「仕事と比べ家事・育児がなぜかうまく行きづらい」場面。

そして「育児への日々急な変化に翻弄され続ける」ことが目立つ場合です。

また、「子どもとの情緒的なやりとりがうまくできない」時もASDの可能性が検討されます。

(4)まとめ

今回は、女性の発達障害「女性でASDの可能性に気づく場面6つ」を見てきました。

ASDは得意・苦手の差が強く、苦手が目立つ以下の場面において不適応が出ることがあります。

●同年代グループについていけない

●身だしなみがうまくいかない

●男性との交流がうまくいかない

●仕事でうまくいかない

●結婚生活がうまくいかない

●家事や育児がうまくいかない

「がんばって適応を試みても、不適応が続いて出てくる」ときは、「ASDの可能性」も検討の必要が出てくることがあります。

著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)