体の不調が続く

検査正常なら「仮面うつ病?」

体の不調が続く時、まずは体の原因がないか、検査等で診断、その治療をするのが第一です。

 

一方で、もし検査を反復しても異常ない時、「仮面うつ病」など、メンタル不調の可能性もあります。

 

その場合は、隠れた体の不調は念頭に置きつつも、背景のうつ病等の治療を検討します。

 

動画:体の不調が続く

もくじ

 
  1. (1)はじめに:体の不調が続く
  2. (2)まずは体の原因を探す
  3. (3)メンタル不調と体の不調
  4. (4)まとめ
  5.  

(1)はじめに:体の不調が続く

心療内科・精神科の症状。今回は「体の不調が続く」について見ていきたいと思います。よろしくお願いします。

だるい・痛いなど、体の不調が続くとき、まずは「体の原因がないか」しっかり調べることが必要です。

一方で、もしいくら検査しても異常がなくて、それでも不調が続いたらどうでしょうか。

今回は「体の不調が続く」について見ていきたいと思います。

(2)まずは体の原因を探す

「まずは体の原因を探す」というところを見ていきます。

体の不調が続いているとき、まずは体の原因を探すということになります。

<体の症状・病気は様々>

体の症状というのはさまざまあります。

これはだるさ・痛み・吐き気・しびれ・発熱(熱が出る)・めまい等いろいろあります。

そして、体の病気もさまざまあります。

例えば「糖尿病」、「心臓の病気」、何か「腫瘍」があったり、「膠原病」リウマチのような病気であったり、いろいろなものが本当にあります。

<内科等での診断要素と検査>

ここで体の不調を内科で調べるとき、大きくは3つのファクターで調べていきます。

1つ目は「問診」。これまでの経過と、どういうところが症状があるかというのを見ていきます。

その上で、「体の診察」を行い、その上で「必要な検査」をしていく。

こういったことを基本的にはしていきます。

この検査もさまざまありまして、代表的なのは血液検査、あと心臓などだと心電図をとったりします。

そして、画像の検査、いわゆるCTの検査などをしたりします。

<なぜ原因の診断が大事か>

これは治療法が診断で決まるからです。

病名と治療の例を見ていきますと、例えば糖尿病であれば、インスリンなどの治療・血糖値を下げる治療をします。

心臓の病気、よくある冠動脈疾患であれば、カテーテルの手術などをします。

また、腫瘍があった場合、それに対して手術などを状態(病期等)に応じ行います。

<原因が不明な場合>

このように原因があれば治療していきますが、逆に原因がわからない場合はなかなか悩ましいところがあります。

原因が不明な時の可能性の例というところを見ていきますと、まずはいわゆる原因不明。いわゆる特発性というものは否定できない。

そしてあるのがいわゆる「まれな病気」。なかなか普通の検査では見つかりにくいものが否定しきれません。

そして、3つ目にあるのが、いわゆる「メンタル不調(からの体の不調)」です。

(3)メンタル不調と体の不調

ここで「メンタル不調と体の症状」を見ていきます。「メンタル不調で体の症状が出ることもある」ということです。

ここで関連する用語が3つありまして、1つ目は「仮面うつ病」、2つ目が「身体表現性障害」、3つ目が「自律神経失調症」になります。

<仮面うつ病>

仮面うつ病は、体の症状が主に出るタイプのうつ病です。

めまいやだるさ、熱などさまざまな症状が出ることがあります。

これはうつ病の1種ですので、治療はうつ病に準じます。

<身体表現性障害>

身体表現性障害は、体の症状が続いて悩むが、検査の上ではなかなか異常が出ないものです。

体の症状に目が行きますが、このうちの多くはうつ病・適応障害などが背景にあるとされます。

この治療は、まさにうつ病等に準じて行いますが、この「メンタルのことによって体の不調が出ている」という病態を受け入れることがまず前提になります。

<自律神経失調症>

自律神経失調症は、体の様々な場所を走る「自律神経」交感神経・副交感神経のバランスの不全です。大半は交感神経が優位、緊張が過剰で生じます。

この自律神経は体の様々を走るため、結果、体の様々な場所に色々な症状が出ます。

これも背景に多くはうつ病・適応障害などがあり、治療もまさにうつ病等の治療に準じます。

<この3つの共通点>

この3つは大まかに共通していて、共通点としては「うつ病などが原因で体の症状が続くことがある」ということです。

<メンタルによる体の症状を強く疑う場合の背景>

まずは「検査で異常がないことが続く」、何回やっても異常がない場合です。

そしてそれでも体の不調にこだわりすぎてしまうというところ。これは「身体表現性障害」の要素でありました。

そしてよく調べると、メンタル不調の症状(落ち込み等)が合併し、そしてストレスなどと連動する場合。

ただ、このうつなどメンタル不調での身体症状の診断の必要条件は、「体の原因(病気)が否定されている」ことです。

<悩ましい:まれな病気の可能性>

頻度の高い病気に関しては検査等で分かりますけれども、まれな病気に関してはなかなか「完全にない」とは言いにくい面があります。

一方で、非常に可能性の低いものに関して、全ての検査をして調べるのは非現実的です。

なので現実的な話としては、一旦は可能性が低いところで否定しつつも、可能性は念頭に置いて、他の症状などが後日出てきたなど必要なことがあれば、そこで積極的に疑っていくというところになります。

<体の不調が続く時の対応のまとめ>

まずは「体の原因をしっかり調べる」というところ。

そして原因がなかなかない場合、その場合はメンタルの不調の可能性を考えて、特に「他の根拠」落ち込みなどがあるとか、そういったことがあれば、積極的にその可能性を疑って必要があれば、治療していきます。

一方で、「まれな原因も含めた体の原因」。これに関しては0とは言い切れないので、念頭には置いておきまして、何か他の症状が出た。必要な時は積極的に疑って必要であれば調べていきます。

(4)まとめ

今回は、心療内科・精神科の症状「体の不調が続く」について見ていきました。

体の不調が続く時に、まずは体の原因を考えて診察や検査などを行っていきます。

一方で、メンタル不調から身体の症状が出ることはあり得ます。

検査などで正常な状態が続く場合に関しては、そういうメンタルからの体の不調の原因も考えていきます。

ただし、まれな体の病気に関しては否定しきれないところがあります。

なのでメンタルを考えても、まれな病気に関しては念頭に置きながら、もし状況等で必要な時は積極的にその可能性を疑っていくというところが大事かと思います。

著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)