仕事行きたくない

適応障害・うつ病の場合も

月曜に「仕事行きたくない」と思う人は少なくありません。ストレス反応のほか、適応障害・うつ病の場合もあります。

 

仕事への「ストレス」が影響していることは非常に多いため、その対策を取るのが第一の対策です。

 

悪化が続いたり、動悸や吐き気などのからだの症状が出る場合はまず1日休み、休養で改善に努めます。

 

動画:仕事行きたくない

もくじ

 
  1. (1)はじめに:仕事行きたくない
  2. (2)例:月曜に「仕事行きたくない」
  3. (3)どんな背景の疾患があるか
  4. (4)どんな原因があるか?
  5. (5)実際どうするか?
  6. (6)まとめ
  7.  

(1)はじめに:仕事行きたくない

心療内科・精神科の症状。今回は「仕事行きたくない」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。

日曜日の夜から月曜の朝になりますと、毎週のようにSNSでトレンドで「仕事行きたくない」という言葉が出てきます。

多くの方が仕事にとって葛藤を抱えている。

一方で、そう書くことで切り替えられる方もいらっしゃれば、悪化して「仕事に行けない」状態になることもあります。

早めに対策をする。そして、不調であればしっかり対処することが大事になってきます。

今回は「仕事行きたくない」についてみていきます。

(2)例:月曜に「仕事行きたくない」

まずは「月曜仕事へ行きたくない方の例」を見ていきます。

平日はストレスを感じつつも、仕事を続けている。

土曜日になると、だいぶ楽になっていろいろ動けるんだけども、日曜の夕方から徐々に浮かなくなってきます。

そして月曜の朝に「仕事に行きたくない」状態になっている。こういった話になります。

(3)どんな背景の疾患があるか

大きくは3つ可能性があります。

1つ目はいわゆる「正常なストレス反応」反応はするけれども、その後立ち直るということです。

続いてが「適応障害」強いストレス反応が出る状態。

3つ目が「うつ病」。これは脳の不調でして、休日も不調が出ます。

<適応障害の通常のストレス反応との違い>

大きくは「より強く出ている」というところ。

少し詳しく見ると、「本来のストレスよりも不釣り合いな強さで反応が出ている場合」、もしくは「社会生活に重大な障害がある場合」になります。

<うつ病の適応障害との違い>

うつ病は「脳の不調」セロトニン不足などになっているところがありますので、休日にストレスから離れても不調が続くことになります。

この状態ですと悪循環になってしまって不調は続きますので、より早く受診することが求められてきます。

(4)どんな原因があるか?

このストレス反応・適応障害・うつ病、3つに共通している原因としてはストレスがあります。

ストレスが強くかかると不調になるので注意が必要です。

<ストレスの代表例>

①人間関係

職場での上司との関係・同僚との関係・部下との関係などで、ストレスがたまってしまうということがあります。

②仕事の量や重圧

仕事の量が多くて、それがストレスになる場合もありますし、量というよりはプレッシャーなどが強くかかってストレスになることもあります。

③疲労や体調不良

疲れがたまってしまったり、体調が悪くなってきますとよりストレスを処理できなくて悪循環になってしまうことが少なからずあります。

このストレスへの対策が大事になってきます。

<ストレスへの対策の例>

人によって変わってきますけれども、まずは睡眠と休養をしっかり確保して、体調などを整えるというところが1つ目です。

その上で職場の環境を調整していくというところ。人間関係という例もありますし、仕事を量や重圧を調節するという意味もあります。

そして、人間関係では我慢し過ぎてしまうくせがあるとストレスが溜まりますので、適度に自己主張する「アサーション」も大事です。

(5)実際どうするか?

仕事に行きたくない時実際どうするか、大きくは選択肢は2つあります。

1つ目は出勤をするという選択肢。もう一つは休むという選択肢。それぞれメリット・デメリットがあります。

<出勤のメリット・デメリット>

まずメリットとしてはいざ出勤すれば大丈夫なこともあるというところ、そして社会的なダメージはないというところがあります。

デメリットとしては無理して出勤することでストレスがかかるところ、それによって悪化するリスクがあります。

<休む時のメリット・デメリット>

メリットとしては、休むことでストレスを減らせる、場合により改善を図れるところ。

デメリットとしては社会的なダメージが出うるところ、そして仕事がたまることです。

<出勤を検討できる時>

まずは仕事は始めれば大丈夫という場合、そして仕事自体にやりがいを持てている場合。

あとは悪化する傾向があまりないという点があります。

<休むべき時>

まずは悪化が続いてきている時、これは無理しない方がいいです。

あとは、吐き気や動悸などの体の症状が出ている時、これも要注意なサインなので、無理しない方がいいです。

もう一つが周りから止められる時。ご自身では大丈夫と思っていても、周りから変化が見える時、これはどちらかといえば鬱病に多いんですけれども、これも注意が必要になります。

<休んだ日にする事>

これはもう休むと決めたので、休養に専念することが一番大事です。

場合により、もしストレスが大きい場合は気分転換はあまり問題はないです。

一方で、やってはいけないのが考え事をしてしまうこと。これは休んでも休養になりませんので注意が必要です。

<1日休んだ結果>

これも2つありまして、まずは「改善する」次の日には仕事に行ける時。

2つ目が「不調が続く」という時、仕事に行きにくい状態が続く時です。

<改善した場合>

改善したのであれば、次の日、基本的には仕事を続けるということになります。

ただし、再発するリスクは高くありますので、環境調整は大事になってきます。

そして、休養する時間をしっかり取るということは大事です。

<不調が続く場合>

無理して仕事に行かず、休むことは現実的な話になります。

そして続く場合ですと、心療内科の受診を検討するということが現実的には大事です。

そして、あまり続く場合、一定期間休職をするというのも、現実的には選択肢になってくるかと思われます。

(6)まとめ

今回は心療内科・精神科の症状「仕事行きたくない」について見てきました。

日曜から月曜において「仕事に行きたくない」という時、正常な時もありますけれども、適応障害・うつ病の可能性もあります。そして、いずれもストレスが大きく絡んでいます。

人間関係・仕事の量や重圧・疲労や体調不良、この3つが主なストレスになります。これに対して、まずは必要な対策を取ることが大事です。

実際には、まずは仕事に行こうとしますが、悪化が続いていたり、体の不調が出たりする時、これに関しては無理をせず1日、休むということです。

そして1日休むことに専念しても不調が続く場合は、無理せず受診をしたり、場合によっては休職する事を検討することになります。

著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)