仕事に行きたくないときに確認したい4つのポイント
負担の原因、背景の不調、その日の判断、休んだ後の対応を先にまとめます。
① 人間関係・仕事の重圧・疲れを見直す

上司や同僚との関係、仕事量やプレッシャー、疲労や体調不良が主な負担になります。睡眠と休養を確保し、仕事の環境を調整することが、最初の対策です。
② 通常のストレス反応・適応障害・うつ病を考える

ストレスに反応しても、その後立ち直る場合があります。一方、反応が強く生活に支障が出る場合は適応障害、休日にストレスから離れても不調が続く場合はうつ病を考え、早めに状態を確認します。
③ 出勤できる場合と、休むべき場合を分ける

仕事を始めれば大丈夫で、やりがいがあり、悪化する傾向が乏しいときは出勤を検討できます。悪化が続く、動悸や吐き気が出る、周囲から止められるときは、休養を優先します。
④ 休んだ後の状態に合わせて、次の対応を考える

休む日は休養に専念します。改善したら、負担を調整しながら仕事を続けます。不調が続く場合は無理に出勤せず、心療内科・精神科への受診や、休職を含む休み方を相談します。
詳しい解説の目次
1.日曜の夜・月曜の朝に、仕事に行きたくなくなる

土曜には楽になるのに、日曜の夕方から気が重い
仕事へのストレスを感じながら平日を乗り切り、休日になると少し楽になる。 それでも、次の出勤が近づくと気分が沈むことがあります。
例えば、土曜日には気持ちが軽くなって、買い物や趣味など、いろいろなことができるとします。ところが、日曜の夕方から少しずつ気分が浮かなくなり、月曜の朝には「会社に行きたくない」と感じるようになります。
「明日からまた仕事だ」「あの人に会わなければ」と思うたびに気が重くなる場合もあります。平日と休日、出勤前と仕事を始めた後で、気持ちや体調がどう変わるかを振り返ります。
「行きたくない」と感じた後、どうなるかを見る
仕事への不満やつらさを言葉にすることで、気持ちを切り替えられる方もいます。一方、日を追って不調が強まり、実際に仕事へ行けなくなる方もいます。
早めに負担への対策を取り、不調が出ているときは、その状態に合う対応をすることが大切です。「行きたくない」と感じたことに加え、その後に立ち直れるか、悪化が続いているかを見ていきます。
すでに体が動かない、動悸や吐き気で出勤できない、欠勤を繰り返している場合は、当日の対応と休み方をまとめたページもご覧ください。
2.仕事に行きたくない主な原因――三つのストレス

仕事に行きたくない背景では、ストレスの影響をまず考えます。 通常のストレス反応、適応障害、うつ病に共通して、ストレスが大きく関わっています。代表的なものは、次の三つです。
① 職場の人間関係
上司、同僚、部下などとの関係で、ストレスがたまることがあります。強い言い方をされる、相手の反応を気にして緊張する、間に入って調整することが多いなど、負担のかかり方はさまざまです。
「仕事の内容より、あの人と顔を合わせることがつらい」という場合もあります。誰との、どのようなやり取りが負担なのかを整理すると、環境を調整する手がかりになります。
② 仕事の量や重圧
仕事量が多く、終わりが見えないことは大きなストレスになります。残業が続く、急な依頼が重なる、休んでいても仕事が気になる、といった状況です。
量が多くなくても、責任やプレッシャーが強い場合があります。「失敗できない仕事を一人で任されている」「常に結果を求められる」など、重圧そのものが負担になっていないかを振り返ります。
③ 疲労や体調不良
疲れがたまったり、体調が悪くなったりすると、ストレスに対処する余力が少なくなります。普段なら受け流せることまで重く感じられ、さらに疲れる悪循環に入る場合があります。
仕事の内容だけでなく、睡眠や休養が足りているか、体の不調が続いていないかも確認します。体調を整えることが、仕事へのストレスに対処する土台になります。
3.通常のストレス反応・適応障害・うつ病の違い

「仕事に行きたくない」という状態では、通常のストレス反応、適応障害、うつ病の三つを考えます。 反応の強さや生活への影響、ストレスから離れた後の状態が、背景を整理する手がかりです。
通常のストレス反応――反応しても、その後に立ち直る
仕事に対してストレスを感じても、その後に気持ちを立て直せる場合があります。出勤前は気が重くても、仕事を始めると調子が戻り、普段どおりに取り組めるような経過です。
この場合も、睡眠や休養を確保し、負担をためすぎないことは大切です。毎週つらさが増していないか、切り替えに時間がかかるようになっていないかを振り返ります。
適応障害――ストレスへの反応が強く、生活にも影響する
適応障害では、強いストレス反応が出ます。通常のストレス反応との違いは、本来のストレスに不釣り合いな強さで反応している場合、または、社会生活に重大な支障が出ている場合という点です。
仕事に近づくと強くつらくなる、気持ちの切り替えが難しく、勤務や日常生活に大きな影響が出ているなど、反応の強さと実際の支障を確認します。
うつ病――休日にストレスから離れても、不調が続く
うつ病は「脳の不調」で、セロトニン不足などになっているところがあります。そのため、休日に仕事のストレスから離れても、不調が続きます。
こうした状態では悪循環になり、不調も続くため、より早い受診が必要です。平日だけでなく、休日にどの程度調子が戻るかも伝えてください。
4.仕事のストレスを減らす三つの対処法

最初の対策は、睡眠と休養を確保し、仕事へのストレスを減らすことです。 そのうえで職場の環境を調整し、我慢しすぎているところがあれば、伝え方も見直します。
① 睡眠と休養を確保する
まずは休む時間を確保し、体調を整えます。帰宅後も仕事のことを続けていたり、休みの日まで予定を詰めていたりするなら、減らせる負担を探します。
例えば、急がない家事を後日に回す、家族に一部を頼む、仕事の連絡に対応する時間を相談するなどの方法があります。疲れや体調不良でストレスに対処しにくくなっているときは、休養が優先です。
② 人間関係・仕事量・プレッシャーを調整する
職場の環境を調整し、負担そのものを減らすことを考えます。仕事の分担、締め切り、責任の範囲、相談できる相手など、どこに調整の余地があるかを整理します。
「仕事がつらい」と伝えることに加え、「急ぎの依頼が重なり、今の量では終わらない」「確認できる相手がいなくて不安」と具体的に話すと、何を調整するか相談しやすくなります。
③ 我慢しすぎるときは、アサーションを使う
人間関係で我慢しすぎる癖があると、ストレスがたまります。適度に自己主張する「アサーション」も大切です。
例えば、仕事を追加で頼まれたときに、「今はAの作業を進めています。こちらを先にする場合、Aの締め切りを相談してもよいですか」と伝える方法があります。引き受けられる範囲や必要な調整を、言葉にして共有します。
5.仕事に行くか、休むか――判断するときの目安

仕事に行きたくないときには、出勤する方法と、休む方法があります。 それぞれの利点と不利益を見ながら、悪化の傾向や体の症状に合わせて判断します。
出勤と休養、それぞれのメリット・デメリット
| 選択肢 | メリット | デメリット・気をつける点 |
|---|---|---|
| 出勤する | いざ出勤すると大丈夫なことがある。欠勤による社会的な影響を避けられる | 無理に出勤するとストレスがかかり、悪化するリスクがある |
| 休む | 仕事のストレスを減らせる。休養によって改善を図れる場合がある | 仕事がたまることや、社会的な影響が出る可能性がある |
休むことによる仕事への影響も気になるところです。ただし、症状が悪化しているときや体の症状が出ているときは、休むべき目安を優先します。
出勤を検討できるとき
次のような場合は、出勤を検討できます。
仕事を始めてしまえば、大丈夫なことが多い。
仕事そのものには、やりがいを持てている。
不調が悪化していく傾向は、あまりない。
出勤前は気が重くても、仕事に取りかかると落ち着いて進められる場合があります。これまでの経過を振り返り、仕事を始めた後の状態も判断の材料にします。
休むべきとき
次のような変化があるときは、無理をせず、まず1日休んで休養に専念します。
不調の悪化が続いている。
吐き気や動悸など、体の症状が出ている。
家族や同僚など、周りの人から出勤を止められる。
出勤前の動悸や吐き気も、休養を考える大切なサインです。 「昨日も行けたから」と同じ対応を続けるより、その日の体調と、最近の悪化を確認します。
自分では大丈夫と思っていても、周囲には変化が見えている場合があります。これはうつ病で比較的多く見られるため、「普段と違う」「休んだほうがよい」と言われたときは、その指摘も大切にします。
6.仕事を休む日の過ごし方と、会社への連絡

休むと決めたら、休養に専念する
仕事を休む日は、まず休養に専念することが大切です。 横になって体を休める、仕事の作業をいったん離れるなど、回復のための時間を取ります。
ストレスが大きい場合は、気分転換をすることも問題ありません。気持ちが休まる過ごし方を選び、休養につながる時間にします。
仕事の考え事を続けると、休養にならない
休んだ日も「明日は行けるだろうか」「仕事がたまったらどうしよう」と考え続けると、気持ちが休まりません。体は職場から離れていても、考え事が続いていると休養にならないため、注意が必要です。
必要な連絡を済ませたら、仕事のメールや作業から離れる時間をつくります。翌日のことを何度も考えて一日を過ごすより、その日は休むことに専念します。
会社には、体調と当日の対応を短く伝える
体調不良で休む場合は、職場の連絡方法に沿って、その日の出勤が難しいことを伝えます。例えば、次のような文面です。
おはようございます。体調が悪く、本日は休養が必要なため、お休みをいただきたくご連絡しました。急ぎの引き継ぎは、対応できる範囲でお伝えします。
翌日の見通しがまだ立たない場合は、今の状態を伝え、必要な連絡を済ませます。連絡自体がつらい場合や欠勤を繰り返す場合の対応は、以下で詳しく説明しています。
7.1日休んだ後の対応と、受診・休職の目安

改善した場合――仕事を続け、環境と休養を調整する
1日休んで改善し、翌日に仕事へ行ける状態になった場合は、基本的には仕事を続けます。 ただし、再び不調になるリスクは高いため、職場の環境調整と、休養する時間の確保は必要です。
「一度休めば、その後は同じ働き方でよい」と考えるより、何が負担だったかを振り返ります。仕事量や人間関係の調整、睡眠・休養の確保を続けていきます。
ここでは、1日休んで調子が戻った場合について説明しています。休職中などで復帰の時期を相談している方は、主治医と決めた方針に沿って進めてください。
不調が続く場合――出勤を無理せず、休養を続ける
休んでも調子が戻らない、翌朝も仕事に行きにくい場合は、無理して出勤せず、休むことが現実的な対応になります。
1日休んだだけで十分に改善しない場合もあります。不調が続くときは、休むかどうかを一人で決め続けるより、医療機関で状態を確認し、今後の休み方を相談します。
心療内科・精神科に相談する目安
仕事に行きたくない状態が続き、休養しても不調が改善しない場合は、心療内科・精神科への受診を考えます。 特に、休日も不調が続く場合は、うつ病に注意して、より早めに相談してください。
受診時には、「いつからつらいか」「平日と休日でどう違うか」「休んだ後に改善したか」を伝えると、経過を共有しやすくなります。例えば、「土曜は少し楽だが、日曜の夕方からつらくなる」「最近は休日にも調子が戻らない」といった説明です。
動悸や吐き気が出る場面、悪化しているか、周囲から指摘された変化も伝えてください。症状が強いときは、1日休み終えるのを待つ必要はなく、その時点で相談します。
長引くときは、一定期間の休職も考える
不調が長引く場合は、一定期間休職して、治療と休養に専念することも選択肢になります。毎朝「今日は行けるか」を判断し続けること自体が負担なら、そのことも主治医に伝えます。
休職の期間や職場との調整は、症状と仕事の状況を踏まえて相談します。欠勤が続いている方には、「仕事に行けない」ページで、休職と働きながらの治療、休養できる環境の整え方を詳しく説明しています。
8.仕事に行きたくないときのよくあるご質問

仕事に行きたくないのは、甘えでしょうか?
まずは、仕事の負担と心身の状態を具体的に確認します。仕事を始めると大丈夫なのか、悪化が続いているのか、動悸や吐き気があるのかで、必要な対応は変わります。
「甘えかどうか」と自分を評価し続けるより、どの負担を減らし、今日はどう過ごすかを考えます。周囲から休むよう勧められているときは、その指摘も判断に生かしてください。
休日は元気でも、仕事のある日につらければ相談してよいですか?
相談して構いません。適応障害では、ストレスに対する反応の強さや、社会生活への支障が重要になります。
休日にどの程度楽になるかに加え、出勤前や勤務中にどのくらいつらいかを伝えてください。逆に、休日にも不調が続く場合は、うつ病を考え、より早めに相談します。
家族や同僚は、どのように声をかけるとよいですか?
「最近、朝の体調はどう?」「前より疲れているようで心配している」と、気づいた変化を具体的に尋ねます。本人が困っていることを聴き、休養や相談を手伝えるかを考えます。
本人が大丈夫と言っていても、周囲には変化が見える場合があります。必要に応じて休むことや受診を提案し、予約や付き添いを手伝う方法もあります。
9.まとめ・関連する症状や病気を詳しく知る

仕事に行きたくない背景には、人間関係、仕事の量や重圧、疲労や体調不良などのストレスがあります。通常のストレス反応に加え、適応障害やうつ病も考え、休養と負担への対策を取ります。
仕事を始めれば大丈夫で、やりがいがあり、悪化する傾向が乏しい場合は出勤を検討できます。一方、悪化が続く、動悸や吐き気がある、周囲から止められる場合は、無理をせず休んでください。
休む日は休養に専念し、改善した後も環境調整を続けます。不調が続く場合は、受診や一定期間の休職を考え、回復のための対応につなげます。
実際に出勤できない、欠勤が続く方へ
体が動かない、出勤前に強い症状が出る、毎朝の欠勤判断が負担になっている場合は、当日の対応と、その後の治療・休職をまとめた記事をご覧ください。
背景にある病気を詳しく知りたい方へ
仕事のストレスとの関係や、休日にも続く不調について、疾患全体の症状や治療は総合ページで説明しています。
動画で詳しく見る
仕事行きたくない
このページのもとになった、精神科医による解説動画です。月曜に仕事に行きたくなくなる例、背景のストレスや病気、出勤と休養の考え方、休んだ後の対応を説明しています。
運営医療機関
こころ診療所吉祥寺駅前
医療法人社団Heart Station/心療内科・精神科


