疲れやすい

心身に原因ありうる

「疲れやすい」とき、まず体の原因に注意ですが、うつ病等で出る事もあります。

 

原因に対策しつつも、疲れを日ごろから溜めない対処が大事です。

 

動画:疲れやすい

もくじ

 
  1. (1)はじめに:疲れやすい
  2. (2)体の不調に注意
  3. (3)メンタルからの疲れやすさ
  4. (4)疲れやすさへの対策
  5. (5)まとめ
  6.  

(1)はじめに:疲れやすい

心療内科・精神科の症状。今回は「疲れやすい」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。

疲れやすいことが続くとき、まずはなにか体の不調がないかを見ていく必要があります。

一方、うつ病の症状などでも「疲れやすさ」というのがあるなど、メンタルからくる疲れやすさにも同時に注意が必要になります。

今回はこの「疲れやすい」について見ていきたいと思います。

(2)体の不調に注意

体の原因で「疲れやすい」ということも出てきます。

<疲れやすい体の原因の例(採血でわかるもの)>

①貧血

貧血では、体に酸素を運ぶことが難しくなり疲れやすくなります。この場合「貧血」の原因の把握が大事です。

②甲状腺機能低下症

これはさまざまな症状が出現し、その中で「疲れやすさ」や「だるさ」等も出てきます。

③糖尿病

糖尿病は、明確な症状は少ないですが、その中で「喉の渇き」等と並び「疲れやすさ」があります。

(3)メンタルからの疲れやすさ

精神的な症状で疲れやすいこともあります。

主な背景は「うつ病」、「不安障害」、「不眠症」の3つです。

①うつ病

<うつ病とは>

うつ病は、落ち込みなど様々なうつ症状が目立つ脳の不調です。

主には、脳のセロトニンという物質の不足が背景とされます。

休養・(抗うつ薬での)薬物療法・精神療法、この3つが治療の3本柱と呼ばれます。

<うつ病の疲れやすさ>

うつ病では、「疲れやすさ」はだるさ(倦怠感)と並び、症状の一つになります。

他のうつ症状との合併を伴うことが多く、そこで見分けていきます。

そして、特に不眠を合併する時は悪循環になることが多く注意が必要です。

②不安障害

<不安障害とは>

これは不安が明らかに強くなり、社会生活に影響が出るような不調になります。

厳密には「社会不安障害」「パニック障害」「全般性不安障害」など細分化されます。

一方で、共通して、うつ病類似の「脳のセロトニン不足」が言われ、抗うつ薬を使うことが多いです。

<不安障害での疲れやすさ>

主には不安や緊張が続くことによるある種の「気疲れ」になります。

そして、心拍や血圧が上がるなどから、純粋に「体も疲れる」側面もあります。

ここでも不眠を合併しやすいですが、その場合悪循環になりやすく、注意を要します。

③不眠症

<不眠症とは>

不眠症は、はさまざまな原因で眠れなくなっている状態です。

これはうつ病・不安障害の症状の一つでもあります。

一方で、うつ病・不安障害の悪化要因の一つでもあり、注意が必要です。

<不眠症での疲れやすさ>

まずは「身体的な回復があまりできない」影響です。

もう一つが「脳の回復の不足」です。

さらに「リラックスの困難と緊張」が生じ、さらに気疲れが出て悪循環になることがあります。

(4)疲れやすさへの対策

対策の基本は、「原因の治療と疲労対策」になります。

①原因の治療

体の原因がもしあれば、その治療をしていきます。

そして、うつ病等のメンタル不調があれば、その治療をしていきます。

そして「残業が長すぎる」など明らかな原因があった場合は、その対策をとっていきます。

②疲労対策

<疲労の浴槽モデル>

これはストレスの対策と近いところがあり、よくお風呂の容器に例えます。

お風呂があり、「入る疲れ」と「出る疲れ」が水のようにあり、そのバランスであふれるか決まります。

そして、どれぐらい貯められるかの「容量」も要素になります。

<疲れがたまる原因>

先ほどの「浴槽モデル」で考えると見えてきやすいです。

まずは「たまる疲れが多すぎる」こと。

2つ目が「出る疲れが少な過ぎる」こと。

3つ目は「容量が小さい」ことです。

原因を踏まえての疲れの対策は、まずは「たまる疲れを何とか減らしていく」、2つ目が「疲労の回復の改善」、3つ目が「疲れにくい状態を作る」です。

<対策1:たまる疲れを減らす>

緊張から疲れますので、緊張をなるべく避けて、普段からリラックスを図っていきます。

そしてストレスと疲れと緊張は結びつきますので、ストレスを日頃からうまくかわすことも有効です。

3つ目は、疲れを減らすため、仕事環境や住環境の調整をしていくことです。

<対策2:疲労回復の改善(効率的な休養)>

まずは睡眠の改善です。「寝る」ことが疲労対策の土台のため、その改善がまず課題です。

2つ目は「効率の良い休養の模索」。休養で疲れを取りますが、様々ある中で自分に合った効率のいい方法を模索します。

3つ目は「アクティブレスト」むしろ軽い運動をすることで休養を図る事です。頭脳労働などで有効です。

<対策3:疲れにくい状態を作る>」

まずは「運動の習慣」を作っていくこと。「体力」を改善し「疲れがたまりにくい」状態を作ります。

2つ目が「ストレスマネジメント」。ストレスと疲労は連動するため、ストレスを日々減らし、疲労の対策を図ります。

3つ目は「リラックスと体調管理」です。緊張から「気疲れ」になり、体調不良から疲労が悪化するため、その予防の対策を取っていきます。

(5)まとめ

今回は心療内科・精神科の症状「疲れやすい」について見てきました。

疲れやすい時は、体の原因に注意です。「貧血」「甲状腺機能低下症」「糖尿病」この3つは採血で素早くわかるものになります。

メンタルではうつ病、不安障害、不眠症で「疲れやすい」が出ます。特にこの中で「不眠症」ははうつ病等の悪化要因にもなるため注意を要します。

対策は原因を除きつつの「疲労対策」です。疲れを「ためず」「回復させて」さらに「余力を持つ」、この3つが大事になってきます。

著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)