罪悪感

うつ病で過剰になる

「罪悪感」は、「悪いことをした」と自分を責める感覚。過剰になると悪影響目立ちます。

 

主にうつ病で過剰になります。抗うつ薬などで治療しつつ、「別の見方」を探します。

 

動画:罪悪感

もくじ

 
  1. (1)はじめに:罪悪感
  2. (2)罪悪感とは?
  3. (3)罪悪感を起こす精神疾患
  4. (4)罪悪感への対策
  5. (5)まとめ
  6.  

(1)はじめに:罪悪感

心療内科・精神科の症状。今回は「罪悪感」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします

。自分のやったことに「罪悪感を持つ」ということはしばしばあることです。

しかし、一方で、これが過度に強い場合は、うつ病の症状の一つの可能性があり、注意が必要です。

今回はこの「罪悪感」について見ていきます。

(2)罪悪感とは?

この罪悪感とは「悪いことをしたと思う気持ちのこと」です。

<罪悪感とは>

罪悪感とは、自分が罪をしたり、悪いことをしたというふうに思う「嫌悪の感情」になります。

自分の行動などが、いわゆる自分の中の規範(ルール)に反していると思った時に生じてきます。

背景には、ある種自分が、属している集団から排除されるような危機感がある、との推測があります。

この罪悪感は2つあり、一つは健全な罪悪感。もう一つは過度な罪悪感。この2つの違いが大きいです。

<健全な罪悪感>

健全な罪悪感は、自分の行動が、自分の中の規範(ルール)に反した時に自然に出る罪悪感です。

これは自分の行動の振り返りと反省を促し、その後の行動の改善につながりうるプラスの面があります。

<過度な罪悪感>

過度な罪悪感は、本来は罪のないような場面で、不自然に強く出るなどする罪悪感になります。

この背景には、「自己評価の低下」などの「認知のゆがみ」が影響することが多いです。

その結果、強い苦悩や生活や症状への悪影響がむしろ強く目立ちます。

<過度な罪悪感の特徴>

まずは「罪悪感を過大に評価」本来些細な事でも、大きなことととらえてしまいます。

2つ目は「罪悪感が続く」。本来は軽いほど時間で改善しますが、そうならず持続してしまいます。

3つ目が「機能を妨げる」過度な罪悪感でうつの悪化や社会生活の困難などが出てきます。

(3)罪悪感を起こす精神疾患

これはまさに「うつ病」が代表的になります。

<うつ病とは>

うつ病は、落ち込みなどのうつ症状が目立つ脳の不調になります。

背景として脳のセロトニンの不足が関与されるとされます。

この中で、自分を責め過ぎる「過度な罪悪感」が症状の一つになります。

<うつ病の罪悪感>

これは一般の健全な罪悪感とは異なる「過度な罪悪感」です。

そして、うつ病で生じる「考えのくせ」がこの罪悪感の発生に影響します。

そして、うつ病の悪化や治療の妨げになりえるので注意が必要です。

<罪悪感に影響する「考えのくせ」の例>

①全か無か思考

一つのミスを一般化して「全部もう駄目だ」考え、強い罪悪感をもたらします。

②選択的抽象化

物事のマイナス面ばかりに目が行き、そこから自分を責める罪悪感につながります。

③個人的帰属

ネガティブな出来事に関して、自分に本来関係ないことも全部自分に紐づけし、罪悪感につながります。

<罪悪感の悪影響>

①自責の悪循環

自分を責めることがさらにストレスになり、もっとうつが悪化する、こうした悪循環になる事があります。

②休養の困難

例えば休職して休養する場面でも、自分で自分を責める事が「考え事」として続き、頭が休まらないことが続きます。

③対人的な孤立

他の人への罪悪感や恐れが強くなり、その反応として人を避け・孤立することがあります。

(4)罪悪感への対策

罪悪感への対策は、基本的には「うつ病の治療」と「考えの調整」の2つです。

①うつ病の治療

「うつ病の罪悪感」は、まず「脳の不調」セロトニン不足があり、それにより「考えのくせ」が目立ち、そこを誘因に罪悪感が強く過度に出るようになる、この流れがあります。

なので、上流の「脳の不調」セロトニン不足を改善すれば、結果罪悪感の改善も見込める面があります。

そのためにうつ病の治療をします。治療の3本柱は休養・薬物療法(抗うつ薬等)・精神療法です。

②考えの調整

考えのくせが過度な罪悪感に繋がる面があります。

この考えのくせに対し「別の見方がないか」を探す練習を反復する「認知再構成(認知行動療法の技法の1つ)」が有効とされます。

この土台として、まず自分の「考えのくせを観察する」、いわゆるマインドフルネスの技術があります。

(5)まとめ

今回は心療内科・精神科の症状「罪悪感」について見てきました。

罪悪感は「悪いことをしたと思う気持ち」。一種の「健全な罪悪感」は行動の改善につながる一方、過度になるとむしろ悪影響が目立ちます。

「うつ病」では「考えのくせ」が影響し過度な罪悪感が起こります。その結果うつ病の悪化や治療の妨げに繋がるため注意が必要です。

この罪悪感の対策は、抗うつ薬などの「うつ病治療」を土台に、残った「考えのくせ」に別の見方を探す「考えの調整(認知再構成)」を並行します。

著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)