五月病
五月・連休後のうつ
五月病は、4月の環境変化を背景に、5月の連休後にうつ状態が目立つ状態です。
基本的には適応障害またはうつ病の状態です。日頃からのストレス・疲労対策が予防に大事です。
その中で、ゴールデンウイークにも、生活リズムを保ちつつしっかり休養することが予防に大事です。
もくじ
(1)はじめに:五月病
精神科・メンタル分野の言葉。今回は「五月病」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
5月、ゴールデンウィークを過ぎた後、落ち込みや体の不調が出てくることがあります。
これを俗に「五月病」というふうに呼びます。
今回は、この「五月病」について、原因・症状や対策・予防法についてみていきます。
(2)五月病の例
Aさんは、第1希望の会社に4月入社しました。
研修などが忙しかったんですけれども、4月は元気に過ごしました。
しかし、ゴールデンウィーク明けになると、なぜかだるさが目立ちました。
朝に吐き気が出ることもあり、なかなか会社に行くことが難しくなりました。
(3)五月病とは?
基本的には「環境変化後に、五月に起こる不調」になります。
<五月病とは>
五月病とは、主に4月の環境変化後、5月に起こるメンタル不調になります。
基本的には、適応障害やうつ病が背景です。
その中で会社に行けなくなるなど、強い影響が出ることも少なくありません。
<五月病の症状>
基本的にはうつ病や適応障害に準ずるものになります。
①こころの症状
いわゆる「うつ症状」落ち込みや意欲低下・興味の減退などが出ます。
②体の症状
体の不調として、疲れやすさ、不眠、吐き気や頭痛などが出ることがあります。
③行動の変化
集中困難、表情の暗さイライラしやすいなど「外から見て見える変化」です。
<五月病の原因>
次のような原因において、ストレスが限界を超えてしまった時に出やすいとされます。
まずは「環境変化」環境が変わったことによるストレスです。
次には、「日々のストレスや疲労」気を張ってなかなか気づきにくいこともあります。
3つ目が「敏感さや考えのくせ」自分を追い詰めると、ストレスが増幅してしまいます。
<どんな人・状況でなりやすいか?>
まずは「変化が非常に大きかった」場合はリスクに注意が必要です。
続いてが「(人間関係など)慣れにくいストレスが多い」という場合。
あとは「ストレスに敏感であったり、考え過ぎるくせがある」場合。
(4)五月病の予防と対策
基本的には「疲れとストレスの対策」が大事になります。
<五月病の予防>
1つ目は「日頃から睡眠と休養の確保をする」というところ。
2つ目は「気を張り過ぎない」過剰適応を特に防いでいくこと。
その上で、「こまめなストレスの発散をする」ことがあります。
<五月病になった時の対策>
まずは「早めの対策を取る」早目に1日休むなどして対策を取ります。
続いて「早目に相談をする」知人・家族・会社の健康センターなどに相談をします。
その上で不調が続く場合は、「早めの受診」を検討します。
<受診時に想定される病名>
まずは「適応障害」ストレスの反応によるうつの可能性があります。
続いて「うつ病」ストレス以外に「脳の不調」が想定される場合もあります。
あとは「その他の原因」甲状腺の不調や躁うつ病なども否定しきれません。
<ゴールデンウィークの過ごし方>
基本は「疲れやストレスをなるべく取ること」。
まずは「しっかり休養」特に頭を休ませることが大事です。
その上で、少し「軽い運動」をして体を整えるのも方法です。
そして「ストレスをなるべく発散」する事が、疲れが取れた中では大事です。
あとはある種の「心理面の整理」変化への気持ちの整理や目標の設定等です。
<ゴールデンウィークに避けたいこと>
まずは今後等を「考えすぎ」不安になること。そうすると頭が休まりません。
次に「生活リズムを乱してしまう」こと。休養は大事ですが、リズムが乱れると長期的には悪影響です。
あとは発散の中での「大量飲酒・過食」長期的には心身に悪影響です。
(5)まとめ
今回は、精神科・メンタル分野の言葉「五月病」について見てきました。
「五月病」は、環境変化を背景に主に5月に生じる、一種の「適応障害・うつ病」の状態になります。
日頃のストレスや疲労などの対策をとって予防をしていきます。
不調になった場合は、早めの対策を取りつつも、不調が続く場合は受診も検討します。
予防には「ゴールデンウイークをどう過ごすか」が大事です。
ストレスや疲労の対策をとり、「考え過ぎ」や「生活リズムの乱れ」をなるべく防ぎます。
著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)