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リカバリー

リカバリーの説明動画の冒頭場面

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概略

精神科でいうリカバリーとは、病気や障害があっても、自分の人生の主導権を取り戻して生きていくことです。症状を減らす治療を続けながら、暮らしや社会とのつながりを整え、自分が大切にしたい生活を目指します。

「どう生きるか」というパーソナルリカバリー、「社会の居場所」をつくる社会的リカバリー、「症状や障害を管理する」臨床的リカバリーの三側面があります。何を取り戻したいかは人によって違います。必要な治療と支援を使いながら、自分に合う形を考えていきます。

リカバリーについて知っておきたい4つのポイント

言葉の意味と、三つの側面、治療・生活での取り組みを先にまとめます。

① 病気があっても、自分の人生の主導権を取り戻す

病気があっても、自分の人生の主導権を取り戻すの説明動画の冒頭場面

生活能力を取り戻したい、社会の中に居場所がほしい、自分で今後を決めたい。取り戻したいものと、その優先順位は人それぞれです。自分らしさを持ち、希望につながる生活を考えます。

リカバリーの意味を詳しく読む

② パーソナル・社会的・臨床的の三側面から考える

パーソナル・社会的・臨床的の三側面から考えるの説明動画の冒頭場面

本人が望む生き方、仕事や住まいなどの生活の基盤、症状や障害への対処。この三つは互いに関係しています。一つの面だけで回復を判断せず、今の自分に必要な取り組みを整理します。

三つのリカバリーを比較する

③ 治療を続け、残る症状や特性に合う支えを使う

治療を続け、残る症状や特性に合う支えを使うの説明動画の冒頭場面

治療やリハビリで症状・障害をできるだけ減らし、残る部分は対策やサポートで補います。統合失調症、双極性障害、アルコール依存症、発達障害など、それぞれの病気・特性に合った取り組みが必要です。

病気・特性ごとの取り組みを読む

④ 自分が望む生活を、具体的な一歩にする

自分が望む生活を、具体的な一歩にするの説明動画の冒頭場面

働きたい、安心して暮らしたい、人とのつながりを持ちたい。まず、自分にとって大事なことを言葉にします。今の体調や困りごとも共有し、医療者や支援者と、無理なく始める方法を考えます。

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詳しい解説の目次

1.リカバリーとは――精神科での意味と、取り戻したいもの

リカバリーとは――精神科での意味と、取り戻したいもの
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リカバリーは「病気に支配されず、自分の人生を生きる」こと

リカバリーは、病気や障害があっても、自分の人生を主体的に生きていくことです。 英語の recovery には回復・取り戻すという意味があり、精神科では特に、人生の主導権を取り戻すことを重視します。

病気を、仕事や人間関係などを失う経験としてだけ捉えると、受け入れることが難しくなります。一方、病気になっても自分の人生を守り、その経験をこれからの生活に生かせると考えられれば、病気の見え方や受け止め方も変わってきます。

治療で症状を軽くすることと、本人が望む生活を考えること。その両方を進めていくのが、この記事で扱うリカバリーです。

回復させたいことの優先順位は、人によって違う

取り戻したいものには、生活能力、社会的な居場所、人生の主導権などがあります。今いちばん困っていることや、これから大事にしたいことによって、優先順位は変わります。

取り戻したいこと日常の具体例
生活能力食事や身支度を整え、通院しながら暮らしを続ける
社会の中の居場所働く場、学ぶ場、安心して話せる仲間とのつながりを持つ
人生の主導権どこで暮らすか、どのように働くかを、自分の希望も含めて決める

「まずは家で落ち着いて過ごしたい」という希望も、「仕事を続けたい」という希望も、本人にとって大切な出発点です。周囲の人と同じ目標を持つことより、自分に必要なことを確かめます。

「リカバリー」の使い方

精神科・精神看護・福祉では、「症状の治療とともに、本人のリカバリーを支える」「自分に合う暮らしを取り戻すことが、私のリカバリーです」といった形で使います。この記事では、機器の復旧などとは分け、精神疾患や障害とともに生きる場面での意味を説明します。

2.リカバリーの三側面――パーソナル・社会的・臨床的の違い

リカバリーの三側面――パーソナル・社会的・臨床的の違い
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リカバリーは、「どう生きるか」「社会の居場所」「症状や障害の管理」という三側面で整理できます。 それぞれで取り戻すものを確かめると、治療や支援について相談しやすくなります。

側面中心になること取り組みの例
パーソナルリカバリー自分の人生の主導権を取り戻す大切にしたいことを確かめ、自分らしい生活を選ぶ
社会的リカバリー社会の中に居場所を持つ仕事、住まい、コミュニティーへの参加を整える
臨床的リカバリー症状や障害を減らし、残る部分を管理する治療・リハビリを続け、必要な対策とサポートを使う

① パーソナルリカバリー――自分の人生を、自分のものとして生きる

パーソナルリカバリーは、障害があっても、人生の主導権を取り戻していくことです。自分らしさを持ちながら安定した暮らしを確立し、将来に希望を持って社会とつながることを目指します。

例えば、仕事を再開するときに、「以前と同じ時間働けるか」だけでなく、「自分は何を大切にして働きたいか」「今の体調で続けられる形は何か」を考えます。治療や支援を受ける場面でも、本人の希望が話し合いの中心になります。

従来型の「患者モデル」との違い

従来型の患者モデルでは、医師が診断し、処方・管理を行い、患者は指示に従って療養するという関係が中心でした。症状の消失が目標になり、患者の立場は受け身になりやすくなります。

これに対して、パーソナルリカバリーでは、治療を受ける本人の主体性を取り戻します。「どのように暮らしたいか」を医療者にも伝え、治療の方針と生活の希望を一緒に考えていきます。

② 社会的リカバリー――仕事・住まい・つながりを取り戻す

社会的リカバリーは、障害があっても社会参加を続け、社会の中の居場所を取り戻すことです。仕事を見つけて定着すること、住まいと生活を確立すること、コミュニティーへ参加することなどが含まれます。

例えば、支援を受けながら仕事を続ける、生活の相談ができる住まいを選ぶ、当事者会に参加して経験を分かち合うといった取り組みです。働くことに加え、学びや趣味、地域との関わりが、その人の居場所になる場合もあります。

③ 臨床的リカバリー――自分の症状や障害を知り、管理する

臨床的リカバリーでは、治療やリハビリで症状・障害をできるだけ減らし、残る部分には自分でも対処していきます。「自分の症状は自分で管理する」という主体的な取り組みです。

そのために、自分の病気や症状を学び、必要な治療・リハビリをしっかり続けます。管理しにくい部分には、医療者や支援者の力を借りながら、生活への影響を減らしていきます。

症状のマネジメント

まず、自分の病気や症状をよく知り、治療に取り組んで症状を最小限にします。そのうえで、残った症状に対処し、日常生活や社会参加への影響を小さくします。

調子の変化を診察で伝える、負担が強まる場面を把握する、相談する時期を主治医と決めておく、といったことが具体的な取り組みになります。薬について気になることも、自己判断で変更する前に主治医へ相談します。

障害のマネジメント

障害については、自分にどのような困難があり、生活へどう影響するかを理解します。リハビリなどの改善への取り組みを続け、残る部分にはサポートを使います。

例えば、予定を忘れやすいなら記録や確認の仕組みを使い、一度に複数の仕事を進めにくいなら、作業の順番を相談します。苦手なことへの取り組みと、環境や支援によって補うことを組み合わせます。

3.三つのリカバリーは、どのように連動する?

三つのリカバリーは、どのように連動する?
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生き方・暮らし・治療は、互いに支え合う

三つのリカバリーは連動しています。 パーソナルリカバリーは「自分はこう生きたい」という心理的な土台になり、社会参加や治療に取り組む方向をつくります。

社会的リカバリーでは、住まいや生活の基盤を整えることで、ほかの取り組みに向かう余力をつくります。臨床的リカバリーでは、症状や再発のリスクを減らし、希望する生活や社会参加を安全に進めやすくします。

「働きたい」という希望を、三側面から考える例

例えば、本人に「もう一度、仕事をしたい」という希望がある場合です。その希望を大切にしながら、何が必要かを三側面から整理します。

確認すること相談する内容の例
本人が望む生き方収入、役割、人とのつながりなど、働くことで何を取り戻したいか
仕事や生活の条件どんな職場なら続けやすいか。通勤や住まいに支援が必要か
症状や障害への対応今の症状で負担になることは何か。治療や再発予防をどう続けるか

希望があることで治療に取り組みやすくなる場合も、生活が安定してから将来の希望を考えられる場合もあります。今どの面への支えが必要かを確かめ、組み合わせて進めます。

4.病気・特性ごとのリカバリー――統合失調症・双極性障害など

病気・特性ごとのリカバリー――統合失調症・双極性障害など
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リカバリーの考え方は、さまざまな精神疾患・精神障害で意味を持ちます。 共通するのは主体的に生きることですが、そのために必要な治療や対策は、病気・特性によって違います。

① 統合失調症――再燃を防ぎながら社会参加を目指す

統合失調症では、治療や日々の取り組みによって、まず症状や再燃のリスクをできるだけ減らします。そのうえで、就労支援など必要なサポートを使い、「再燃なき社会参加」を目指します。

仕事に就くことだけでなく、続けられる条件を整えることも大切です。統合失調症がありつつも、治療と支援を使い、自分の人生を主体的に生きていきます。

統合失調症の症状・治療を詳しく見る

② 双極性障害(躁うつ病)――安定を保ち、再発予防に注意する

双極性障害では、治療によって気分の変動を減らし、基本的な安定・寛解を図ります。そのうえで、再発予防に細心の注意を払いながら、社会復帰を目指します。

「どのくらい活動するか」「今の生活を続けるうえで何に気をつけるか」を、治療と合わせて考えます。病気があっても、安定を支える取り組みを続けながら、自分の生き方を選んでいきます。

双極性障害の症状・診断・治療を詳しく見る

③ アルコール依存症――再飲酒を防ぎ、役割やつながりを取り戻す

アルコール依存症では、病気について学び、自分を振り返り、必要なスキルを身につけながら、再飲酒防止を続けていきます。その中で、仕事への復帰や自助グループへの参加などを通じて、社会とのつながりを回復していきます。

人によっては、自助グループで経験を伝え、ほかの人を支える立場で参加することもあります。依存症がありつつも、自分の経験と支援を生かして、主体的な生活を目指します。

④ 発達障害――特性を知り、合う仕事や役割を見つける

発達障害では、自分の特性を知り、改善に向けた取り組みを続けます。そのうえで、残る特性に合う仕事を見つけ、そこでの定着を図ります。

得意なことを生かせる役割や、苦手を補える伝え方・作業方法を考えることも大切です。特性への理解と工夫を重ねながら、発達障害があっても自分の人生を主体的に生きていきます。

ASDの特徴・相談について詳しく見る / ADHDの症状・診断・治療を詳しく見る

5.社会的リカバリーを支える資源――仕事・住まい・当事者会

社会的リカバリーを支える資源――仕事・住まい・当事者会
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希望する生活に合う社会資源を使うことも、リカバリーの一部です。 仕事、住まい、人とのつながりを、それぞれの困りごとに合わせて整えます。

障害者雇用――必要な配慮を相談しながら働く

障害者雇用は、サポートや配慮のある中で働くことを考える選択肢です。仕事内容、勤務時間、困ったときの相談方法など、自分に合う条件を確認しながら、就職と定着を目指します。

「働けるかどうか」に加え、「どんな条件なら働き続けやすいか」を考えると、必要な支えが見えてきます。医療者や就労の支援者と、本人の希望と体調の両方を共有します。

就労移行支援――働くための準備と職場探し

就労移行支援では、仕事に必要な知識や技術の練習、職場体験、求職活動などを通じて就労につなげます。原則2年の利用期間を目安に、その人に必要な準備を進めます。

期間については、個別の審査で必要性が認められた場合に更新できることもあります。利用できる支援や期間は、自治体の窓口・相談支援事業所などで確認してください。

グループホーム――支援を受けながら生活を整える

グループホームは、暮らしの相談や日常生活の支援を受けながら生活する住まいです。人によっては、2年ほどをかけて生活の練習をし、一人暮らしなどにつなげていく利用の仕方もあります。

これは生活を整える一例です。実際の入居期間や支援内容は、ホームの種類や地域、本人の状況によって異なります。どこで、どのような支援を受けて暮らしたいかを相談して選びます。

当事者会・自助グループ――同じ経験を持つ人とつながる

同じような病気や障害を経験した人が集まり、暮らしの工夫や困りごとを話し合う場もあります。経験を分かち合いながら、自分がどう生きたいかを考えるきっかけになります。

仲間同士で支え合うことを、ピアサポートと呼びます。参加するか、どのように関わるかは、本人の希望や負担も確かめながら考えます。

どこに相談すればよいか

通院中なら、まず主治医や医療機関の相談担当者へ、仕事・住まい・生活で困っていることを伝えてみてください。障害福祉サービスの利用については、自治体の障害福祉窓口や相談支援事業所と相談し、使える選択肢を確かめます。

6.リカバリーに向けた日常の取り組みと、具体的な記入例

リカバリーに向けた日常の取り組みと、具体的な記入例
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まず「大事にしたいこと」を、一つ言葉にする

リカバリーを考える出発点は、自分がどのように暮らしたいかです。 大きな夢がすぐに浮かばなくても、「朝食を落ち着いて食べたい」「友人と短い時間会いたい」「通院を続けながら働きたい」など、今の希望から始めます。

次に、その希望をかなえるうえで困っていることを整理します。症状、体力、仕事の条件、住まい、人間関係などに分けると、一人で取り組めることと、支援を頼みたいことが見えてきます。

希望と、治療・生活の条件をつなぐ記入例

例えば、「もう一度働きたいが、疲れが強くなることが心配」という場面です。次のように整理して、診察や支援の面談で相談できます。

整理すること記入例
自分が取り戻したいもの仕事を通じた役割と、人とのつながりを持ちたい
今、比較的できていること通院を続けている。予定が少ない日は生活のリズムを保てる
困っていること用事が重なると疲れが残る。働ける条件が分からない
治療で相談したいこと今の症状で負担になりやすい活動と、調子を崩したときの対応
生活・仕事で相談したいこと仕事内容や勤務時間について、支援者と候補を整理したい
最初の一歩次の診察で希望を伝え、就労の相談先を確認する
続けながら確かめること疲れの残り方、症状、本人の満足感、必要な支えの変化

これは取り組みを整理するための例です。記入する項目も、本人が話したいことや今の負担に合わせて減らせます。

取り組んだ後は、成果だけでなく続けやすさも見る

活動を始めたら、「できた・できなかった」だけでなく、翌日の疲れや気持ち、症状の変化も振り返ります。本人がその活動に意味を感じられたか、支えが足りていたかも確認します。

負担が大きかった場合には、活動量や方法、支援を相談し直します。自分の状態を知って調整することも、主体的に生活をつくる取り組みです。

自分の状態を観察する「セルフモニタリング」を詳しく読む

7.家族・看護師・支援者にできる、リカバリーを支える関わり方

家族・看護師・支援者にできる、リカバリーを支える関わり方
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症状と一緒に、本人が大切にしたい生活を聴く

本人にとって何が大切かを聴くことが、リカバリーを支える出発点です。 家族や医療者が望む生活と、本人の希望が違うときは、その違いも話し合います。

例えば、次のような問いかけがあります。

「今の生活で、もう少し楽にしたいことはある?」

「これからやってみたいことと、心配していることを教えてもらえる?」

答えがすぐに出ない場合も、今つらいことや、落ち着ける時間から聴いていきます。結論を急ぐより、本人の考えを共有できる関係をつくります。

看護・支援では、本人と目標を共有する

精神看護や生活支援では、睡眠・食事・服薬・日常生活の状態に加え、「本人はどんな生活をしたいか」も確認します。その希望に向けて、今必要な治療や生活の支えを本人と一緒に考えます。

場面関わり方の例
本人が働きたいと話した「どんな働き方を考えているか」「何が心配か」を聴き、体調と支援の条件を整理する
活動後に疲れが強くなった取り組めたことと、負担になった条件を分けて振り返る
治療について迷っている本人が気にしている効果や負担を聴き、主治医との相談を支える
今後の目標を決めにくい今できていることや、大切にしたい日常から一緒に考える

できていることと、使える支えにも目を向ける

苦手や症状の確認とともに、本人の得意なこと、続けられていること、助けを求められる関係も確かめます。「前より早く疲れに気づいて相談できた」という変化も、今後の生活に生かせる情報です。

必要な支援を受けながら、自分で選べる部分を増やしていきます。支える側も一人で抱えず、医療や福祉の担当者と役割を分担します。

8.リカバリーについてよくあるご質問と、相談の進め方

リカバリーについてよくあるご質問と、相談の進め方
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リカバリーと、治癒・寛解はどう違いますか?

治癒や寛解は、主に病気や症状がどの程度改善したかを表すときに使います。リカバリーでは、その改善を大切にしながら、本人が望む暮らしや社会とのつながり、人生の主導権も考えます。

症状が残っている場合も、治療と対処、必要な支援を使いながら、自分らしい生活を目指せます。

働けるようになれば、リカバリーしたと考えてよいですか?

働くことは、社会的リカバリーの大切な一つの形です。同時に、本人がその働き方を望んでいるか、生活や体調を保ちながら続けられるかも確認します。

人によっては、安心して暮らすこと、学ぶこと、身近な人との関わりを取り戻すことを優先します。本人の希望と、その時点での必要性に合わせて考えます。

リカバリーとレジリエンスの違いは何ですか?

レジリエンスは、ストレスや困難から回復し、適応していく力を指します。一方、このページで扱うリカバリーは、病気や障害があっても、自分が望む生活や生き方を取り戻していくことです。

レジリエンスは、リカバリーの過程を支える力の一つとして考えられます。リカバリーを本人の力だけに任せず、治療や生活の基盤、人とのつながりも整えます。

レジリエンスの意味と高め方を詳しく読む

本人主体なら、薬や支援は減らしたほうがよいですか?

主体的に生きることには、自分に必要な治療やサポートを選び、活用することも含まれます。薬の効果や負担が気になるときは主治医に伝え、生活上の支援も、その時点の必要性に合わせて相談します。

症状と再発のリスクを減らし、望む生活を続けやすくすることが大切です。

目標が浮かばない、途中で調子を崩したときはどうすればよいですか?

まずは今つらいことと、少し楽にしたいことを相談してください。睡眠や食事、通院、住まいなどの土台を整えながら、落ち着いたときに希望を考える方法もあります。

取り組みの途中で不調が出たら、その変化を主治医や支援者に伝え、治療・活動量・生活の条件を見直します。次にどう進めるかを、今の状態から考え直します。

診察や面談では、どのように希望を伝えるとよいですか?

「症状は少し落ち着いてきたが、仕事に戻ることが心配」「家事のどの部分に支援を頼めるか知りたい」など、体調と生活の希望を合わせて伝えてください。第6章のメモを、そのまま相談の準備に使うこともできます。

医療機関には治療と体調について、自治体や福祉の相談先には生活やサービスについて相談し、必要に応じて連携してもらいます。

9.まとめ・病気があっても、自分の人生を生きていく

まとめ・病気があっても、自分の人生を生きていく
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リカバリーは、病気や障害がありつつも、自分の人生を主体的に生きていくことです。パーソナルリカバリー、社会的リカバリー、臨床的リカバリーの三側面が連動し、生き方・生活・治療を支えます。

統合失調症、双極性障害、アルコール依存症、発達障害などで、必要な取り組みは異なります。自分の病気や特性を知り、治療と支援を使いながら、何を取り戻したいかを考えていきます。

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リカバリー

このページのもとになった、精神科医による解説動画です。三つのリカバリーと、統合失調症・双極性障害・アルコール依存症・発達障害それぞれの取り組みを説明しています。

著者紹介

精神科医・医療法人社団Heart Station理事長 春日雄一郎

春日 雄一郎

精神科医/医療法人社団Heart Station 理事長

病気や障害があっても主体的な生活を取り戻すことを、治療・暮らし・本人の希望の三つから解説しています。

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医療法人社団Heart Station/心療内科・精神科

主な参考文献

  1. 尾崎紀夫・三村將 監修、水野雅文・村井俊哉・明智龍男 編集:『標準精神医学 第9版』医学書院、2024年。
  2. 大熊輝雄 原著、「現代臨床精神医学」第12版改訂委員会 編集:『現代臨床精神医学 改訂第12版』金原出版、2013年。
  3. 米国精神医学会 原著、日本精神神経学会 日本語版用語監修、髙橋三郎・大野裕 監訳:『DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院、2023年。
  4. 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部:「リカバリー(Recovery)」『リカバリーのページ』。
  5. 厚生労働省:「障害福祉サービスの内容」。

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