うつ病・適応障害の話し方の特徴3つ
小声・否定的内容など
うつ病・適応障害になると小声になり途絶えるなど、話し方にも様々な変化が出ます。
これらの変化は時に早期発見・早期対策のヒントにもなります。
もくじ
(1)はじめに
うつ病・適応障害セルフチェック。今回は「うつ病・適応障害の話し方の特徴3つ」でやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
うつ病・適応障害では「話し方」にも影響が出ます。その違いが早期発見・早期対策のヒントになることもあります。
今回は「うつ病・適応障害の話し方の特徴3つ」を見ていきます。
(2)話し方の変化も「うつ」のサイン
「以前からの変化が大事」です。
<うつ病とは>
うつ病は「落ち込み」などうつ症状が目立つ脳の不調です。
脳のセロトニンという脳内物質の不足などが背景とされます。
表情や話し方など、外からの変化も出てきます。
<適応障害とは>
適応障害は「ストレス反応」としての各種のうつ症状になります。
脳の不調はないとされ、ストレスから離れると改善するところがあります。
一方、職場でストレスがかかっている時はうつ病と同様、「外からの変化」も出てきます。
<うつ病・適応障害の症状の出方>
まず「こころの症状」が出ることがあります。
そして「体の症状」として出ることもあります。
もう一つ「行動の変化」で出ることもあります。
①こころの症状
これはいわゆる「うつ症状」で、さまざまな症状が出ます。
人によっては落ち込み「抑うつ気分」が出ることがあります。
人によってはやる気が出ない「意欲低下」が出ることがあります。
人によっては自分を責めすぎてしまう「罪悪感」が出ることがあります。
②体の症状
こころ以外に体の症状としていろいろ出てくることもあります。
人によっては「吐き気」などが仕事前などに出ることがあります。
人によっては「食欲が低下」、うつ病だと体重が減ることもあります。
人によっては「倦怠感」が強く、なかなか動けないことがあります。
③行動の変化
外から見える「行動の変化」で気づかれることもあります。
人によっては「表情」、いわゆる顔つきなどの変化が出る方がいます。
人によっては「行動パターン」が変わり、外から変化が目立つ場合があります。
そして、人によっては「話し方」に変化が目立つ場合があります。
<ポイントは「変化」>
声の例で言うと、「前から声が小さい人」がいます。
ただ一方で「以前大きかった声が小さくなった」、「変化」した場合があります。
その場合は「うつ病」など何か背景の可能性を考えます。
(3)うつ病・適応障害の話し方の特徴3つ
「以前にはなかった変化」に注意です。
①声が小さくなる
「以前はなかった聞き取りにくさが出る」というところです。
<声が小さくなる>
これは「声が小さくなって聞き取りにくくなる」こと。
症状としては、いわゆる「抑うつ気分」、落ち込みが声に反映されます。
声はもとから小さい方もいるので、「以前からの変化」がポイントになります。
<類似した変化>
声が不明瞭になる、いわゆる「滑舌が悪くなる」方がいます。
後は「テンポが遅くなる」考えが遅くなる「精神運動制止」を背景にテンポが遅くなる場合があります。
そして「声のトーンが低くなる」、以前からの変化として出ることがあります。
②言葉数が減る
「会話が少なく、広がりも欠く」というところです。
<言葉数が減る背景>
まずは「抑うつ」落ち込みがあって、会話自体が減る場合があります。
後は「意欲の低下」。全体的な行動が減る中で言葉数が減る場合があります。
また「集中力の低下」、会話を「続ける」ことが難しくなる場合があります。
<類似した変化>
まず「話が途切れてしまう」ことが出てくることがあります。途中で途切れる場合があります。
後は「同じ内容を繰り返してしまう」ことが出る方がいらっしゃいます。
そして人によっては以前なかった「会話を避ける」変化が出る方がいます。
③否定的な内容が増える
「自分にも周囲にも否定的な見方をする」というところ。
<否定的な内容になる背景>
まずは「抑うつ気分」落ち込みの症状が出て、そこから否定的になることがあります。
また「自責や罪悪感」、自分を責めたり、迷惑を掛けていると感じるところが背景のことがあります。
そして、いわゆる「認知の歪み」から「否定的なところに目が行き過ぎてしまう」ことがあります。
<類似した変化>
1つ目は「頑固になる」、なかなか他の人のアドバイスを聞き入れにくくなることがあります。
続いては「挑戦しなくなる」、後ろ向きな思考パターンから、前できた挑戦できなくなることがあります。
あとは「不必要に謝る」、罪悪感に支配され過ぎて「謝る必要がない所でも繰り返し謝る」ことがあります。
<違いに気付いたら>
気づき次第、早めの対策を取れるといいと思われます。
まずはご本人さんと「何がつらいかの相談」をしていくというところ。
そしてもし可能であれば、「環境の調整」負荷を減らす検討やご本人さんにその検討の相談をしてもらうこと。
そして「症状が重い」などがあれば、受診を検討もしくは促すことがあるかと思われます。
(4)まとめ
今回は、うつ病・適応障害セルフチェック「うつ病・適応障害の話し方を特徴3つ」を見てきました。
うつ病・適応障害では、話し方にも変化が出ることがあり、以下の3つが代表的です。
- ●声が小さくなる
- ●言葉数が減る
- ●否定的な内容が増える
もし違いに気付いたら、相談や環境の調整を対策を取り、それでも困難であれば、受診も検討したり促したりするのが良いかと思われます。
著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)