うつ病の主な体の症状5つ

不眠・食欲低下など

うつ病ではうつ症状の他、不眠や倦怠感などの体の症状が出ます。

 

さらに「自律神経失調症」的な様々な症状も出ます。

 

動画:うつ病の主な体の症状5つ

もくじ

 
  1. (1)はじめに
  2. (2)うつ病と体の症状
  3. (3)うつ病の主な体の症状5つ
  4. ①食欲が落ちる
  5. ②眠れない
  6. ③だるさ
  7. ④疲れやすい
  8. ⑤さまざまな体の症状
  9. (4)まとめ
  10.  

(1)はじめに

うつ病・適応障害セルフチェック。今回は、「うつ病の主な体の症状5つ」を見ていきたいと思います。よろしくお願いします。

心療内科・精神科でよくご相談を受けます「うつ病」。

うつ病といえば、落ち込み・意欲が出ないなど、心の症状「うつ症状」が有名ですけれども、実は体にもさまざまな症状が出ることがあります。

今回は、「うつ病の主な体の症状5つ」を見ていきます。

(2)うつ病と体の症状

うつ病では、ときに体の症状も目立ちます。

<うつ病とは>

うつ病は落ち込みなどうつ症状が続く脳の不調です。

脳の物質「セロトニン」の不足などが背景とされます。

休養・薬物療法・精神療法が治療の3本柱とされます。

<うつ病の症状>

①心の症状

落ち込みや意欲の低下など、いわゆる「うつ症状」です。

②体の症状

不眠、だるさ、めまいなどさまざまな体の症状が出ることがあります。

③行動の変化

イライラしやすさ、表情の暗さなど、外から見えての変化です。

<うつ病の体の症状(自律神経症状)>

うつ病では心の不調のほか、体にもさまざまな症状が出ることがあります。

背景はうつ病に伴う「自律神経の乱れ」とされます。

これはさまざまな悪化のリスクになる一方で、うつ病を早期発見するヒントにもなることがあります。

<補足:自律神経失調症>

自律神経失調症は「自律神経の乱れに伴うさまざまな身体症状」です。

症状はさまざまな場所に変動して生じ、検査をしても異常は出ません。

この「自律神経失調症」の多くは、うつ病や適応障害の自律神経症状(体の症状)です。

<補足:仮面うつ病>

仮面うつ病は、落ち込みなどが目立たず主に体の症状が目立つタイプのうつ病です。

内科的な検査で異常なく治療で効果は出ず、「もしかしたら仮面うつ病かも」と疑われ診断につながります。

うつ病に準じた治療が有効ですが、どうしても「疾患の受容」に葛藤が生じやすい面があります。

<体の症状でうつ病を疑うヒント>

まずは「体の症状で異常がなくて、治療もあまり効果が出ない」という場合。

あとは「症状がいろいろ変動」場所が変わり、ストレスで悪化する場合。

もう一つが振り返ってみると「他のうつ症状(落ち込みなど)が実はある」場合です。

(3)うつ病の主な体の症状5つ

「体の症状もうつ病発見のヒント」です。

①食欲が落ちる

食事量が減り、体重が減ることもあります。

<食欲が落ちる>

うつ病の症状で「食欲低下」があり、食事量も減ります。

「味がしなくなる」など、味覚など食事関連に変化があり、特に食事困難になります。

そして、体重が減って、その変化で自分や周りが気付くこともあります。

<食欲低下の影響>

まずは「体重減少」体重が減って、体調が悪くなりやすくなります。

また、「うつ症状の悪化のリスク」も生じえます。

そして、「疲れやすさや活動量の低下」につながります。

②眠れない

「症状でもあり、悪化要因にも」なります。

<眠れない>

うつ病の症状で「不眠」があり、これはしばしば続きます。

寝つけない「入眠困難」や寝た気がしない「浅眠」など、さまざまなタイプがあります。

そして、この不眠が続くとうつ病悪化のリスクが高いです。

<不眠の影響>

まずは翌日、集中困難や体調不良など状態が悪化します。

2つ目が「うつ病悪化のリスク」、特に不眠が続くと非常に悪化しやすいので注意が必要です。

もう一つは「体の病気のリスク」、高血圧などの生活習慣病なども不眠が続くとリスクが上がります。

③だるさ

「だるさが続いて物事がおっくうに」なります。

<だるさ>

だるさが続く「倦怠感」もうつ病の症状の一つです。

体が重く感じられて動きにくくなります。

その結果、生活や活動にも大きな影響が出ることがあります。

<倦怠感の影響>

まずは「仕事で滞りが出る」、だるさで動きづらくなって滞りが出ることがあります。

また「日常生活の困難」、入浴など日常な活動がおっくうになってやりづらくなることがあります。

3つ目が「気分転換も困難になる」、気分転換がおっくうでできず、ストレスがたまり悪循環になります。

④疲れやすい

疲れやすくなって生活にも影響が出ます。

<疲れやすい>

疲れやすさが続く「易疲労感」、これもうつ病の症状の一つです。

すぐに疲れてしまって、集中や行動が続きにくくなります。

その結果、生活や活動にも大きな影響が出ることがあります。

<易疲労感の影響>

まずは「仕事をこなせない」。すぐ疲れてしまうので、仕事を続けることは難しくなります。

そして「セルフケアの悪化」生活の中ですぐ疲れて、時にセルフケアが困難になります。

もう一つが「対人関係の減少」、対人関係をする集中力が続かず、対人関係が減ることがあります。

⑤さまざまな体の症状

「自律神経の乱れからさまざまな症状が」出ます。

<さまざまな体の症状>

うつ病からの「自律神経の乱れ」でさまざまな体の症状が出ます。

これはいわゆる「自律神経失調症」とほぼ同じ症状になります。

しんどさは強い一方で、うつ病発見のきっかけにもなります。

<自律神経症状の例>

人によってさまざまな場所にさまざまな症状が出ることがあります。

「めまい」「吐き気」「動悸」「息切れ」「頭痛」「しびれ」などが具体例です。

<自律神経症状の影響>

まずは生活や仕事の困難が出ることがあります。

体の症状が続いて、生活や仕事がしづらくなることがあります。

そして、めまい等を通じ「体の病気への不安」が強まり、さらにうつなどが悪化することがあります。

そして、体の症状をきっかけに「仕事や学校に行けない」ことが出る事があります。

(4)まとめ

今回はうつ病・適応障害セルフチェック「うつ病の主な体の症状5つ」を見ててきました。

うつ病は落ち込みなどの心の症状「うつ症状」が有名ですが、以下に挙げるような「体の症状」も出ることがあります。

  • ①食欲が落ちる
  • ②眠れない
  • ③だるさ
  • ④疲れやすい
  • ⑤さまざまな体の症状

体の症状はしんどさが強い一方、うつ病発見のヒントでもあります。検査で異常のない不調が続く等の場合は、受診などもご検討ください。

著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)