うつ病になりかけた時の対処法3つ
初期症状に休養など
うつ病では初期症状での早期発見と早期対策が大事です。
気づいたら休養やストレス発散、環境調整で対策します。
もくじ
(1)はじめに
うつ病・適応障害セルフチェック。今回は「うつ病になりかけた時の対処法3つ」をやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
うつ病はいったん進行すると、治療には時間がかかる病気です。
一方で、なりかけの「初期症状」の段階で気付いて対処法をとっていけば、悪化や発症を防げる場合もあります。
今回は「うつ病になりかけた時の対処法3つ」を見ていきます。
(2)うつ病と早期対処
「重くなる前に早めに対処する」ことが大事です。
<うつ病とは>
うつ病は、落ち込みなどうつ症状が続く脳の不調です。
脳のセロトニンという物質の不足が背景とされます。
休養・薬物療法・精神療法が治療の3本柱です。
そして進行すると、治療に時間がかかってしまいます。
<うつ病が進行する>
うつ病が進行すると、治療にまず数カ月以上かかってしまいます。
そして、抗うつ薬など「薬の治療」が必要になります。
また休職を要するなど「影響が大きく出る」ことがあります。
そのため進行する前に早期対処できるに越したことはありません。
<うつ病と早期対処>
うつ病は早期発見・早期対処がやはり大事です。
そのためには、いわゆる「初期症状」に気づくことが大事です。
そして気づいた時に早めに適切な対処をとることも大事です。
<うつ病の初期症状の例>
これは人によってそれぞれ違いますが、自分にとっての初期症状はほぼ共通のため、覚えておくと有効です。
人によっては「眠れない」不眠が出ることがあります。
人によっては「漠然とした不安」が出る方もいます。
人によっては「月曜朝の不調」会社に行く前の不調が目立つ方もいます。
こういった初期症状があったら、早めに対処することが大事です。
(3)うつ病になりかけた時の対処法3つ
「なりかけで気付き、早めに対処する」ことが大事です。
①休養の確保
「休めるときにしっかり休む」ことです。
<休養の確保>
休養は治療のほか「初期の対処」にも有効です。
なりかけであれば短期間で効果を見込める部分もあります。
ポイントは「頭を休ませる」ことで、考えすぎをなるべくしないことが大事です。
<具体的にはどうするか>
まずは残業を減らして「仕事後にしっかり休む」こと。
続いて「休日」土日などでしっかり休むこと。
そして可能であれば「有給休暇」を活用して休めるときにしっかり休みます。
②ストレス発散
「ストレスを溜め込まない」ことです。
<ストレス発散>
ストレスをため込んでしまうとうつ病は悪化しやすいです。
そのため、なるべく発散してため込まないようにします。
発散法は現実的にできる事をなるべく複数持っておくことが大事です。
<運動での発散>
頭を使う仕事の方の場合、特に体を動かすことでバランスを取ることが大事です。
そして、「運動」体を動かすことが一種の刺激になって意欲改善の効果も期待します。
ただし、やり過ぎると逆効果のため無理せず、終了後はリラックスをしっかり図ることが大事です。
③環境調整
「環境からのストレスを減らす」ことです。
<環境調整>
環境由来のストレスは環境調整で改善するところがあります。
転職など大がかりな方法というのが一般に言われます。
しかし「より細かい調整」でも特に「なりかけ」の状態だと有効な事が多いです。
<現実的な環境調整>
まずは業務量の調整、仕事量を少し調整する話があります。
また「残業制限」残業時間を減らしたりなくす対策の相談があります。
もう一つが「部署の異動等」部署までは異動できなくても、チームを少し変える等の相談の余地はありえます。
(4)早期対処がうまくいかないとき
「対処しても厳しい場合は早めの受診等を」検討します。
<初期対応がうまくいかないとき>
確かに早期対応がうまくいくことも多いですが、うまくいかないこともあります。
その場合は、より踏み込んだ対策が必要になります。
具体的には、受診などを検討することになるかと思われます。
<踏み込んだ対策を要する時>
まずは対策をしても悪化が続く時。
続いては社会生活に影響が出るとき。
3つ目が安全の確保が難しいときです。
<踏み込んだ対策の例>
まずは「健康相談室」などで相談すること。
続いて「カウンセラー」に相談すること。
もう一つが「心療内科を受診」することです。
(5)まとめ
今回はうつ病・適応障害セルフチェック「うつ病になりかけた時の対処法3つ」を見てきました。
うつ病は進行すると治療に時間がかかりますが、早期に気づき、以下3つの対処法をとることで悪化を防げることがあります。
- ①休養の確保
- ②ストレス発散
- ③環境調整
対処しても悪化が続く等する時は、早めの受診などより踏み込んだ対策をしていきます。
著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)