アファメーション

自分への「前向きな自己暗示」

アファメーションとは、自分自身にかける、反復しての「前向きな自己暗示」です。

 

自己否定がうつ悪化の背景ですが、認知再構成から一歩踏み込んだこの方法も選択肢です。

あくまで自分発信の言葉で、現実に直面しつつ、行動も組み合わせるのがポイントです。

 

動画:アファメーション(前向きな自己暗示)

もくじ

 
  1. (1)はじめに:アファメーション
  2. (2)影響の大事さと「自分からの影響」
  3. (3)考えのくせと認知再構成
  4. (4)アファメーション
  5. (5)まとめ
  6.  

(1)はじめに:アファメーション

うつ病・適応障害セルフケア。今回は「アファメーション(プラスの自己暗示)」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。

人は、環境や他者・言われたことなどに影響を受けていきます。

一方で、最も多く助言をして、最も多く影響を受ける相手とは誰でしょうか。

ある意味、「自分自身」ということがあります。

よく認知行動療法では、自分で自分を痛めつける「考えのくせ」を少し調整をしていく、いわゆる「認知再構成」ということをしていきます。

一方で、そこから一歩進んで「自分で自分にプラスの助言を繰り返していく」。このプラスの自己暗示をアファメーションといいます。

今回は、この「アファメーション」についてみていきたいと思います。

(2)影響の大事さと「自分からの影響」

まずは「影響の大事さと自分からの影響」というところを見ていきます。

人は行動の繰り返しで徐々に変化をしていきます。

そして、広い意味での行動というのは、「影響を受ける」ことも含まれまして、この積み重ねというのはメンタル状態に強く影響していきます。

<何に影響を受けるか?>

まず1つ目はいわゆる「環境」周りの環境から影響を受ける。なので環境を選びましょうということがあります。

2つ目は「他者」他の人から色々言われたことなど影響を受けることあります。なので付き合う人を選んでいきましょうということもあったりします。

そして、もう一つ影響を受けるのが、まさに「自分自身」になります。

自分自身に何を伝えていくか、この積み重ねは非常に大事になってきます。

<自分への働きかけの影響の基本>

そして、それによる影響は基本的には他の人から声を掛けられた場合と同様です。

プラスの声掛け・プラスの働きかけをすれば、基本的にはプラスの反応が積み重なっていく。

一方で、マイナスの働きかけ・マイナスの声掛けを繰り返すと、マイナスの反応・影響が出てくるということがあります。

(3)考えのくせと認知再構成

ここを元に次のテーマ「考えのくせと認知再構成」を見ていきます。

<うつ病・適応障害での考えのくせ>

よく、うつ病・適応障害で考えのくせが問題になります。

例えば、いわゆる「べき思考」、自分でこうあるべきだ・こうやらなきゃいけないという風に自分に言ってしまう。

2つ目は「自己否定」もう自分はダメだと、自分に対して「お前はダメだ」というような、そういったことがあります。

他にも色々ありますが、共通点としてあるのが「自己否定の働きかけ」、自分で自分を否定する声掛けをしてしまうということになります。

<自己否定の悪循環>

この自己否定の悪循環を見ていくと、まず確かにうつがあると、これは自己否定しやすくなると。

そして自己否定の働きかけをすると、さらにそれによってうつが悪くなる。

この繰り返しで悪循環になってしまうことがあります。

<対策としての認知再構成>

ここで「認知再構成」というのがありまして、これは別の見方を探すということなんですけども、何をやるかというと、これは先程の「自己否定を弱めて悪循環を防ぐ」ということです。

ある意味、この認知再構成は自己否定を減らす「守りを固める」方法になります。

では、ここでご質問は「守りの逆、攻めの方法は何ですか」ということがあります。

(4)アファメーション

この対策が今回扱う「アファメーション」になります。

守りと攻めという話をしましたけど、守りというのは自己否定の声掛けを少しでも減らしていくというところ。これが認知再構成でした。

一方、攻めとしては自己肯定の働きかけを強めていく。これがアファメーションになります。

<アファメーションとは>

少し詳しく見ていきますと、自分に「なりたい自分」であったりとか、そういう前向きな言葉・働きかけを繰り返し言い聞かせていくことになります。

プラスの働きかけを繰り返すことによって、プラスの影響を積み重ねていきます。

一回・二回だと効果は少なくても、積み重ねることで徐々に効果が強まっていくというのがポイントになります。

<言い聞かせる事の例>

どんなことを言い聞かせるかの例ですけど、まずはこういう風になりたい「なりたい自分」のことを言い聞かせる場合があります。

あとは、自分の長所、自分の自信になるところを繰り返し言い聞かせる場合があります。

あとは名言であったり、好きな歌詞であったりを言い聞かせる場合もあると思います。

また、より具体的に「自分が言われて印象に残ったこと」を繰り返し言い聞かせる場合もあると思います。

<アファメーションのポイント3つ>

①直面をした上で暗示

直面がなくて、現実離れしたところで自己暗示をしてしまうと、むしろ現実離れして逆効果になってしまいますので、直面した上でやっていきます。

ただこれはうつがあって考えのくせが出ている方だと自然に直面しているということはあるかと思います。

②行動を組み合わせる

この自己暗示の「アファメーション」と行動が一致しないと、言葉の意味が減ってしまいます。

一方で行動が伴っていくと、行動がまた言葉を強めていく。こういう好循環になりますので、ぜひ組み合わせていただけたらと思います。

③自分発信

自分ではなく他の人から暗示をかけられるというのは、むしろ非常に危険があることです。

あくまで「自分で発信する」、自分で実感を持ったことを、自分自身に発信していくということが大事になります。

<自己否定のくせへの対策2段階>

自己否定のくせに対しては、今扱った2つの方法を組み合わせていきます。

まずは「認知再構成」自分を追い詰めるような考えのくせを見直していきまして、これを調整していって、少しでも自己否定の影響を減らしていくというところ。

2つ目としてはアファメーションの併用になります。

自己否定を減らした土台の下で、自分で自分を肯定する声掛けを繰り返していく。それで(いい)影響を積み重ねていって前向きな状態を作っていく。

この2つは組み合わせることが可能と考えています。

(5)まとめ

今回はうつ病適応障害セルフケア「アファメーション」について見てきました。

人は「影響を受ける積み重ね」でいろいろ変化していきます。環境・他者の他に、自分自身からも強く影響を受けることがあります。

対策として、まずは自己否定を減らす「認知再構成」というのは大事ですけれども、そこから一歩踏み込んで、さらに自己肯定の暗示「アファメーション」をすることも有効になってきます。

このアファメーションを成功する為には、「現実との直面」を忘れないでやっていく。そして行動を組み合わせていく。あとは他者発信じゃなくて「自分で発信」して自分で実感のあるる言葉を自分に投げかけていく。この3つが大事になってくるかと思います。

ご注意

当院では、長時間のカウンセリングでの認知行動療法は行っておらず、外来診察の枠組みの中で、必要に応じて「認知再構成」「系統的脱感作法」等の要素を活用する事があります。

記事内容に関しては「医学知識」としてご参考にしていただけますと幸いです。

著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)