うつ病・適応障害予防の対策シンプル3つ
ストレス・疲労・睡眠(リズム)
うつ病・適応障害はだれにもかかるリスクがありますが、予防できるに越したことはありません。
シンプルな予防策は「ストレス対策」「疲労対策」「睡眠・生活リズム」この3つです。
することはシンプルですが、地道に日々続けることが、予防にとっては重要になります。
もくじ
- (1)はじめに「うつ病・適応障害、予防の対策シンプル3つ」
- (2)対策①ストレスをためない
- (3)対策②疲れをためない
- (4)対策③睡眠・生活リズム
- (5)うつ病・適応障害予防の対策3つ:シンプルだが奥が深い
- (6)まとめ
(1)はじめに「うつ病・適応障害、予防の対策シンプル3つ」
今回は、「うつ病・適応障害、予防の対策シンプル3つ」ということでやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
うつ病や適応障害はもちろん、誰にでもなるリスクがありますが、その一方で何とか予防はできないかという話はよくお聞きすします。
予防できるのに越したことはないということがありまして、その対策3つを今回見ていきたいと思います。
(2)対策①ストレスをためない
1つ目としては、「ストレスをためない」ということです。
うつ病・適応障害、どちらも共通しているのは、ストレスが溜まる・ストレスによって悪化する事です。なので第1の対策としては、ストレスをなるべく溜めないということになります。
ここでよく説明のために浴槽のモデルを出すことがあります。お風呂があって、水がたまるようにストレスがたまってくると。
溜まる量と排出・吐き出す量、このバランスによってストレスがたまるかどうかが決まってくる。そしてある種容量・容器をあふれてしまうと不調が出るというモデルになってきます。
ここを見ていくとポイントとしては、なるべく入るストレスを減らす、排出・出すストレスをなるべく増やしていく。そして溜めておける容量を広げるということになってきます。
このためには、いろいろなやり方がありますが、大まかな方向は2つ。
一つ目は環境、ストレスがたまりにくい環境を選ぶということ。もう一つがストレスをうまくやり過ごしたり、排出したりするような対策を日々改善に取り組んでいくということになってきます。
その中でストレス発散ということに関してですが、「忙しいとなかなかできない」というご質問をお聞きしますが、実際にはそうではありません。
まず、大がかりな・時間のかかる方法は必ずしも必要なく、日常のことでも相性が良ければ十分発散することが可能です。
特に忙しい方の場合大がかりなことは難しいため、なるべくシンプルな2.3分でできるリラックス等のシンプルな方法の中で合う方法を探していくと、実践的な効果があるのではと思います。
(3)対策②疲れをためない
2つ目としては、「疲れをためない」ということです。
ストレスと同様に、うつ病・適応障害は、共通して注意が必要なのが疲れ・疲労で悪化するということです。
これも同様に浴槽のモデルで扱うことはありますけれども、疲れがだんだん溜まってくる。でも、それを吐き出していくと。で、一定以上たまってしまうと、いろいろ不調が出るということになります。
なので大まかなポイントとしては、溜まる疲れを減らす、取る疲れを増やす。そして大丈夫なように容量を広げるということになります。
具体的にどうするかというと、まず1つ目は疲れを溜まらないようにあまり無理をしないという話。2つ目としてはこまめに疲れを取っていくということ。3つ目が体力を増進していくということがあります。
ここでご質問としては「ただ休むんだったら簡単じゃないか」みたいな話を聞くんですけれども、実はこれは奥の深い部分があります。
疲れを取る効率をいかに上げるかというのが、非常に奥が深い話になってくる。特に仕事をして時間が限られている方にとっては、非常に奥が深い話になってきます。
<効率的な休養のための取組み>
まず仕事に関しては疲れず、しかし仕事の効率を落とさない。そのためのいい仕事の仕方を研究していくことがあります。
2つ目としては時間が限られている中で、より効率のよい疲れを取り方を研究していきます。
3つ目としては、「体力を増進する」ことですが、時間が限られている中で、効率のいい体力のつけ方を身につけ、かつそれを日々継続していくことが大事になってきます。
(4)対策③睡眠・生活リズム
3つ目の対策としては、「よく眠り生活リズムを整える」ことです。
疲れやストレスの双方にとって大事なことが、睡眠と生活リズムになります。この2つを整えることは、やはり非常に大事です。
<生活リズムを整えるコツ>
まずはなるべくリズムを一定にする。やはりずれてしまうと、それだけでやっぱり不安定になりがちですので、なるべく一定にします。
そして、それは忙しくてもなるべくずらさない事が大事です。
補助的なものとしては「午後の昼寝に注意」。昼寝をするとやはりリズムが乱れますので、「日中起きて夜しっかり休む」リズムを整えていきます。
<睡眠のコツ>
まずは睡眠はリラックスと相性がいいので、夕方以降・仕事終了後はなるべく効率よくリラックスを図っていきます。
2つ目としては、寝る環境を整えたり、あとカフェインを減らすなどの「睡眠衛生」を整えていきます。
3つ目としては、考え事をすると緊張して睡眠の妨げになりますので「なるべく夜に考え事をしない」。「ただ考えない」のは難しいので、「考える時間をずらす」というのが現実的な対策になってきます。
(5)うつ病・適応障害予防の対策3つ:シンプルだが奥が深い
この予防の対策。3つまとめると、1つ目はストレスをためない。2つ目は疲れをためない。3つ目は生活リズムと睡眠に注意するということです。
これら3つ非常にシンプル、一見シンプルなんですけれども、意外と奥が深い話になってきます。
たとえば、すごく忙しくなったり、生活に変化があった時、そういう時でもこの3原則を守っていくということ、工夫しながら守っていくということは簡単ではない部分もあります。
そして、予防にとっては非常に力強い方法でもあるということが言えるかと思います。
(6)まとめ
今回は、「うつ病・適応障害予防の対策シンプル3つ」ということでやってきました。
うつ病・適応障害は誰でもなるリスクはあるんですけれども、予防できるに越したことはありません。
対策の3本柱としては、ストレスを溜めない、疲れを溜めない。そして生活リズムや睡眠をしっかりするということをやっていきます。
これらは一見シンプルですけれども、これらはどんな環境でもしっかり守るということは簡単ではなく、かつ強い意味があるということと捉えています。
著者:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)